エンの深み
レースのつむぐ縁。
最大のものが、沖縄100kとなってきました。
初めての沖縄本島訪問は、第1回沖縄100kウルトラマラソンでした。
そして今回は6回目の大会、6回目の訪問です。
沖縄の狂乱事項は、なんたって郷土出版の豊富さからです。
それだけ多彩な歴史と風土がつまった土地だからでしょう。
もちろん、悲劇の部分も、たくさんあります。
なにはともあれ、沖縄にきたら、まずは本屋さんです。
うちの本棚の一角も、沖縄本コーナーが、すこしずつ増殖しています。
そして、新しい路地裏探検。
すっかり旅行者気分です。
あすレースをひかえている、っていうのにね。
そんな沖縄フリークになって、レーススタイルも変わってきました。
沖縄オバあで走る、3年目。
さすがに、レース会場では、やや目立ってしまいます。
そして、おもしろいことに、同類は引き合う。
ヘンなおぢさんと、ごあいさつ。
イカネーさんと、ごあいさつ。
素敵な出会いです。
ウルトラマラソンという、ヘンタイさんが集う大会。
そこに加えての、ヘンタイ趣味同志の、あたたかな連帯感(笑)。
うん、うれしいです。
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沖縄上陸の最初は、郷土本コーナーで逆上。今年は何を買おうか。
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こんなコーナーが4面もあって、シアワセ満喫気分です。
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そして、路地をウロウロ、お店もたのしい。
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さあ、早朝のレース会場、ウルトラ前の張りつめた緊張感。
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と思いきや、まったく緊張感のないオバあが。場ちがい感ムンムン。
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いよいよ選手整列、午前5時の号砲を待ちます。
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スタートしてすぐの公園内イルミネーション、世間はクリスマス忘年会気分。
沖縄気候
沖縄は、レース前日から、風が吹きあれていました。
さ、さむい。
レース当日も、最大風速20mを記録したそうです。
でも、なんで風速は秒速で示されるんでしょうか。
イメージが、わきにくいです。
ちなみに、時速に換算すると、時速72キロだと思います。
わたくしの、あやふやな計算。
一般道なら、スピード違反の風の速さです。
午前五時、漆黒のなか、レースはスタートしました。
風にくわえて、ときおり霧雨がサーっと、肌に吹きかけます。
うーん、いつもとちがうな。
良識あるランナーのみなさまは、ごぞんじないかもしれません。
(知る必要もありません)。
キモノ姿は、走りにくい。
キモノのスソが、足にからみつくためです。
くわえて風は、スソを巻きつけてきます。
足が、前に出ないよお。
もともと、ワラーチばきなので、小マタです。
にしても、さらなに小マタにならざるをえません。
こういうのを、救いようのないアホといいます。
ライトの灯りをたよりに、打ち寄せる波の音をききながら、すすみます。
今年は、波の音が、いつもより大きい。
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エイドは、およそ2,5キロに一ヶ所という優遇ぶり。次のエイドまでの距離表示あり。
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最初は、くらい夜道をタンタンとすすみます。
夜明け、そして海
ライトの灯りが不要になってゆくころ。
坂をのぼった先に見えてくる半島。
「ごらんあれが竜飛岬、北のはずれと」
いえ、さむいからといって「津軽海峡冬景色」じゃありません。
知念岬です。
東の空が紅に染まりだす日の出前の静寂。
が、きょうはあつい雲で、まだその気配はありません。
知念岬を通るたびに気になるのが、斎場御獄(せーふぁらたき)。
いちど、いってみたい。
コースからはずれて、1キロ先にあるようです。
なかなかレース中に寄れるだけの余裕はもてません。
そして海の向こうにみえる神の島「久高島」。
何年か前に、レース翌日に上陸して、1日をかけて自転車で一周しました。
かがやく太陽に光る砂浜がよかったです。
なつかしいな。
そして、コースは海岸線に出てゆきます。
百名ビーチ。
あつい季節に、ここでポチャポチャ泳いだら、気持ちがいいよね。
そして30キロ手前の海に飛び出す奥武島の一周ラン。
この島の豪華エイドと、人々のあたたかさは忘れがたい記憶になります。
このあたりは、レースというより、観光そのものです。
まだ少し、体力も残っていますし。
さあて、そろそろ坂道もふえて、沖縄らしくなってゆきます。
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知念岬からの夜明け。今日は雲があつい。
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知念岬を出ると、帰りにまつニライカナイ橋を見上げて、海岸線へ。
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百名ビーチは、サイコーです。
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すこし海岸に出てみました。砂がきもちいい。
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えんやら、えんやら、まだまだのぼりもたのしい。いえ、くるジー。
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熱烈な、でもちょっとシャイな小学生と記念撮影。ヘンなひと同志。
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太陽は、雲の切れ間からほんのチョッピリ。
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こういういつもとはちがう非日常の光景の中をはしる幸せ。
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奥武島のエイドは、まずは沖縄そばコーナーから。
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あったかいモズクスープに沖縄おにぎり。がっつりいただきます。
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島、そして海。
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島の海岸線、サーフィンもできるようです。
天才
沖縄も、南面に入ってゆくと、景色がグーンと変貌してゆきます。
広々としてきます。
なだらかな丘陵地帯を、ゆっくりのぼり、ゆっくりくだる。
そのぶん、風の勢いをさらに感じてきますけど。
あいかわらず、キモノのスソが風でからんできます。
えーい、はしょってみたらどうや。
キモノのスソをたくし上げて、腰に巻いてみました。
すると、ヒザが前に出ます。
あれ、あんがい走りやすいじゃないか。
新たな発見、もしかして自分天才?
30キロを過ぎてからの気づき、というのがニブすぎるんですが。
何も知らなければ、まさに南の楽園です。
そして走りやすい。
コース案内にも、こういう注釈がありました。
「このあたりは、比較的平坦」ですと。
ふーん、このあたりだけですか。
あつい雲の下でも、じゅうぶんに南国気分を味わえます。
まさに、開放的なトロピカル。
ですが、心からは、そういう気分になりきれなさもでてきます。
それは、太平洋戦争の激戦地であったから、です。
楽園のこの地に、ここかしこに慰霊碑がたっています。
鎮魂の地、しずしずと走ります。
そしてまだ、世界で戦争がつづいています。
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鎮魂の地を、心静かにすすみます。
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のぼり疲れても、沖縄。
さあ半分
南端の糸満市に入ってきました。
そして糸満市市街地です。
ここの特徴は、広い、広い道。
戦争で、いちどご破産となった土地からの復興のためでしょうか。
あたらしい家も、目立ちます。
そんな歴史にひたる一方、海の色は信じられない南国色になってゆきます。
空はくもっているのに、海はかがやいている。
空の色をうつしているんじゃないんですね。
広い道の向こうを、ランナー集団が走っています。
午前11時、50キロの部のコースのランナーさんたちがスタートしていました。
今年も、中間点に6時間で着くことはできませんでした。
まだ、中間点に向かっている途中です。
たぶん、あと1キロほど。
でも、もうすぐ中間点。
中間点は、決してレースの真ん中じゃありません。
後半は、体力も、地形もちがってきます。
それでも、大きな区切りの地点。
天候は、あいかわらず曇天、ときどき霧雨、そして強風。
ダイジョーブ、イケル、イケル。
(つづく)。
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広々とした南国風景のなかを走れる快感。
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海の色に、目ん玉から疲れがひいてゆく気分になれそう。
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あと少しで、中間点。まだまだイケル。
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何事も 沖縄走れば なんくるないさー
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参考までに、沖縄100kウルトラマラソンホームページ内の案内動画です。2019年のレース。