シューズと走り方

自分だけのシューズ

 

ひとはみな、自分だけのシューズをもっています。
シューズという表現が適切かどうか、という問題はありますが。

それは、自分の「すあし」です。
自分を支えてくれる骨格。
それらをつなげる筋肉や腱組織。
間をうるおす脂肪や血管。
すべてをまとめる皮膚組織。
これらが一体となった、自分だけのかけがえのない「すあし」。

じっさいに、人類の歴史のほとんどは、すあしの歴史でした。
すあしは、2本足でくらすわたしたちを支えるかなめです。

ところが、近代に入り、状況が変わります。
とくに屋外活動。

あつさ、さむさへの工夫。
よごれへの対処法。
おもに人工物の砂利やアスファルトなどから守る手立て。

こういうものから身を守る合理的な工夫。
そうして考えられていったと考えられるのが「ハキモノ」。
いまは、ファッション性も、かね備えています。
自分の足をおおう、新しい武器。

 



 

 

クツ底に着目

 

シューズの「クツ底」をみてみます。

シューズの底は、厚いのがいいか、うすいのがよいか。
平らなのがいいか、かたむいているのがいいか。

ランニングシューズをみても、クツ底の形状は、百花繚乱です。
何でもあり。
のぞめば、どんなタイプも手に入れられることが可能です。
あとは、予算しだいですか。

そんなランニングシューズのクツ底も流行がありそうです。
これは、スカートのタケと同じでしょうか。
短いのがはやれば、次には長いのが受け入れられる。
残念ながら、「はかない」という流行は、まだみられません。
ああ、はかない。

そういう目でみると、いまのクツ底の流行の主流は「厚底」でしょう。
しかも、たんに厚いだけではありません。
前にかたむいている形状が人気のようです。
すなわち「前傾」。
ですから、カカトの部分が、いようにぶ厚い。

 



 

 

前傾厚底シューズの身体感覚

 

クツに足を入れただけで、すこし前にかたむく前傾厚底シューズ

わたくし、ランニングシューズを持っていません。
とうぜん、はやりの前傾厚底シューズの感覚は未経験です。
そんなわたくしの、机上の空論です(すみません)。

前傾厚底シューズで走ると、坂をくだる感覚がうまれる。
というような感想を、実際にはくランナーがよくおっしゃられます。
だから、いつもより速いタイムが出せると。

同時に、歩幅ものびてきますと。
なんとなく、そうかなと思えます。

このときの身体感覚は、どうなっているのでしょうか。
アシが、より自然に前に出てくれる感覚でしょうか。
重力が、平地であっても強く味方してくれる感覚。

となると、その走り方はランニングモデル1号でしょう。
アシの動きは、力強い「振り子」運動。

 



 

 

長い坂道くだり

 

そうすると、前傾厚底シューズは、コース中が長いくだり坂になってくれるのでしょうか。
わたしの場合、平地より、くだり坂のほうが、スピードがのります。
強いくだりじゃなくて、ちょっとしたくだり坂で。

ただ、です。
ずっと長くくだり坂をかけ降りていると、けっこうアシにきます。
とくに、アシ「前面」への荷重感。
重力が味方してくれるぶん、アシへの衝撃性も高まるのでしょう。

ですから、平地より、はやく疲労感が芽生えます。
長い坂道をくだりつづけると、平地に入ったとたん、アシが出なくなる感覚さえ生まれます。

こういう負荷を克服できる「走力」のあるランナーには、無用の感想でしょうが。
ただし、このために高度の負荷が、アシの故障に結びつかないか、不安です。
わたくしの場合、とくに走力も根性もないし。

ですから、だれでも楽に速く走れるシューズ、というわけではないような気がします。
どんなシューズも、はくひとを選んでいるわけです。

 



 

 

ウス底シューズの身体感覚

 

それでは、ウス底のシューズに切りかえたら、どうなるでしょうか。

前傾が生み出す重力の加護は、期待できません。
それでは、そのぶん、自分でアシにを入れなくては、同じには走れない。

いえ、待ってください。
これがアシに負担をかける原因になりませんでしょうか。
とくに、アシの裏とか、ヒザとか、モモとか。

負担が過ぎると、故障の原因にもなってしまいます。

ウス底にしたら、アシに頼らない。
アシは、地面につくことで良しとしてみる。
かわりに、シリ球の回転で前にすすむ感覚を味わってみる。

つまり、走り方が変わっちゃうのです。

おお、絵にかいたようなランニングモデル2号への誘導法。
じっさい、オシリ回転感覚走りに、厚底シューズは合わない気がします。

歴史的にみて、ランニングモデル2号ぞろいだった江戸時代(わたしの勝手な推測)。
そこではかれていたハキモノは、みなウス底でした、多分。
もちろん、飛脚も例外ではありません。

以上の実証のためには、やはり前傾厚底シューズを買うべきだよ。
そして、実際に走って比較してみなくちゃ。
しかしねえ、値段も高いし、躊躇しちゃいます。
たぶん、買わない、はかない。

 



薄くてもこれで、100キロ走れました(沖縄100Kウルトラマラソン)。

 

たーさん
クツ底は 走りに合わせて たのしもう

 

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