ハイハイを、考える

たまには、ハイハイ

 

むかしを思いだしませんか?
ハイハイの姿勢

最初は、そんな格好で動きはじめたんだよなあ。
なつかしいな。
いつからだろうか、2本足になったのは。

という過去を、シミジミと回顧できる方は、すばらしい記憶力です。
はい、わたくしは、まったく覚えがありません。

でも、たしかにハイハイの時代があったはず。
確信はもてませんが、赤ちゃんを見ると、そう思います。

というので、たまには童心にかえって、ハイハイ。
まず、その前に、ハイハイの姿勢
そう、両手と両ヒザで、カラダを支えてみます。

ワンコやニャンコがあられる方は、いっしょに4本足のポーズ。
どのくらい、久しぶりですか?

たしかに、おき上がるときなどに、瞬間的に4本足の姿勢になることはあります。
でもそれは、あくまで行為中の一瞬の通過点。

きょうは、じっくり、ゆったり、時間をかけて4本足のポーズへ。

 



 

 

4本足の構造

 

ハイハイの姿勢になると、カラダのつくりが描きやすくなりませんか。

すなおに、何かに似てくる。
そうです、「家の構造」です。
2本足は、そういう発想がもちにくい。

2本のウデと、2本のアシは、家の柱になります。
背中は、家の屋根
屋根を支える梁(はり)が、背骨です。

そうすると、ムネやオナカは、背骨からぶら下がっています。
そうです、ぶら下がっている。
なにしろ、地面には、接していませんから。

柱と屋根を、結びつけるところ。
それが、肩と腰になります。

肩は、肩甲骨と鎖骨が、ウデを支えています。
腰は、骨盤がアシを支える。

 



 

 

呼吸器は、ぶら下がっていた

 

呼吸というのは、「すって」「はく」こと。
オタク的にいえば、これは「換気」といいますが、まあそれはそれで。

すって、はくの出入り口は、(と口)。
すって、はくの終点は、肺胞
両者をむすぶクダが、気道(気管)です。

ハイハイ姿勢の時、鼻は、を向いています。
ハイハイ姿勢の時、肺は、背骨からぶら下がっています。

肺は、右は3つ、左は2つの、大きな袋に収められています。
上から、上葉、中葉、下葉と名前がついています。
左は、2つしかないので、中葉はなし。

ハイハイ姿勢の時は、この袋が、ぶら下がっています。
ブランブラン
そう、おバアちゃんのオッパイのイメージ(失礼)。

ですから、立ち上がると、重力で、下にたれさがります。
だから、胸の前面には、肺の上葉がおおいます。
胸を、モシモシすると聴こえる呼吸音は、上葉の音。
下葉の呼吸音を聴きたければ、背中にまわらないと、聴きとれません。

背骨にはりつく気道も、下にむく鼻と肺胞にあわせて、下に曲がっています。

 



 

 

消化管も、ぶら下がっていた

 

口からはじまり、ノド、食道、胃、小腸、大腸とつづく消化管も、背骨からぶら下がるのが基本構造。
長いので、一部は、背骨にはりついていますけど。

そして、入り口のは、やはりハイハイ姿勢では、下に向いています。

口にはじまり、オシリの直腸までの消化管の旅は、長い道のり
ま、長いですね、ということで。

ここは、オシリの出口、直腸に着目。
ハイハイ姿勢時、オシリも、下に向いて開きます。
オシリの湾曲にそって、下向きにカーブ。
人間にはなくなっちゃいましたが、シッポの下にあるのが肛門ですから。

ですから、ウンチの姿勢は、ハイハイの姿勢に近づけないと出ません。
ロダンの考える人のポーズ。

そうか、呼吸器も、消化管も、本来はハイハイ姿勢時の「ぶら下がり」構造なんですね。
そのまま、わたしたちは、2本足になっているだけ。

 



 

 

下を向いて、考える

 

人間の本来の構造は、ハイハイ姿勢の中にある。
そうです、ワンコやニャンコと、基本は変わりません。

なので「寝たきり」は、タイヘンな事態です。
なにしろ、つねに、ハイハイの基本姿勢とは逆の向き
くわえて、体力も、落ちていますからね、ふつうは。

ですから、あたりまえのことが起こります。

すぐに、ノドがガラガラしてきて、タンがからみます。
呼吸があさくなりがち。
肺炎も起こしやすい。

ゴハンも、食べられなくなる。
無理に食べたら、気管に入って誤嚥です。
ウンチも、出なくなって、そう便秘

だって、本来は背骨からつるされた構造なんですから。

ワンコやニャンコが、ずっと上むきに寝ていたらどうだろう、というのと同じですね。
不自然さを、感じませんか。

といって、ハイハイは無理かもしれない。
ならば、「腹ばいの姿勢」をとってもらったら、どうでしょうか。

アレアレ、タンが自然に出てくる。
呼吸も深まり、まで出せてくる。
あれほどの便秘が、ブリブリ、出はじめてきたぞ。

構造を考えれば、あたりまえのこと、なんでしょうか。

名前も、ちゃんとあります。
腹臥位療法」とか、「腹ばい療法」とか。

イタリアで大流行してしまっている、新型コロナ感染症。
呼吸機能が低下して、人工呼吸器をつけてしのぐ患者さんの姿をニュースで見ました。
その患者さん、腹ばいの方が多いのに気がつきましたか?
そう、急性期の呼吸不全にも、腹ばいがいい。

あらためて、それが人間の構造なんですから。

そういうカラダの構造、走りにも利用できませんか?
(つづく)

 



 

たーさん
腹ばいを あなどるなかれ 奥ふかし

 

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