『究極の歩き方』アシックススポーツ工学研究所著、歩き編

やはり、50歳

さあて、いよいよアシックスさんの本領発揮。
多数の日本人の、歩き方の解析です。

ここでも、どうやら、50歳が曲がり角のようです。
いろんな意味での、人生の分岐点。

歩行速度が、遅くなる。
歩幅（ストライド）が、短くなる。
足幅（左右の足の開き具合）も、広がりはじめる。
左右のバランスが、乱れだす。

なるほど、50歳の坂は、ただもんじゃない。

それらのデータの蓄積は、解析だけじゃありません。
「歩行年齢」サービスも、受けられるようです。

アナタの歩き方は、68歳ですよとか（ホントですか）。
アナタの歩行年齢は、84歳ですよとか（って、いったい）。

なので、50歳になったら、意識をかえよう。
50歳になったら、シューズもかえよう。

50歳未満には、「ランウォーク」。
50歳をこえたら、「ペダラ」、なんですって。
アシックスさんの、ご推奨。

ペダラの意味は、わかりませんでした。

いまだに出会ったことのない「長靴をはいた猫」

求めよ、理想の歩き方

ビックデータは、理想の歩き方も、はじき出すようです。
やはり、こういうのを求めたくなっちゃうんでしょうか。。

楽に歩くと、姿勢は悪くなるし、筋力もおとろえます。
負のスパイラルに、おちいるらしいです。

なので、身体に負荷をかける歩き方を。
そうすれば、筋力は、維持されます。
後期高齢者になっても、元気に、あるけますよ、と。

具体的な、歩き方。

歩行速度は、可能な範囲で、速く。
アゴをひいて、少し遠くを見る。
呼吸は、鼻ですい、口からはく。
腹部は、ひきしめる。
ひざは、曲げない。
振り出した足のつま先は、上に反らせる。
脇をしめる。

うーん。
どれも「当たり前」のことなんだとか。
意外と、この当たり前ができていない人が多いのそうです。
なかなか、スポーツ工学研究所の見方は、強いです。
でも、そう嘆かれましてもねえ。

はい、わたくしも、そのひとりでした。

どのように導きだしたのですか？

理想の、歩き方。
これって、どういう経過で、だされたのでしょうか。

だって、町の中でも、こんなひと、なかなか見かけません。
お散歩途中の方には、いらっしゃるかな。
トレッドミルの上を歩く方にも、お見かけはしますか。

くらしの場所、という視点で考えてみます。
そこには、わたしの視界には、なかなか入ってきません。

くらす場所が、田舎だからなんでしょうか。
見る場所は、田んぼ道とか。
スーパーの中とか。

でも、次のように解釈しています。
アシックスさんの結論も、ひとつの「仮説」ですよね。
そこんところ、押さえておきます。

仮想、江戸の町通り

いきなり、時代を200年、巻きもどします。
江戸の、長屋通り。
ご隠居さんや、熊さんがいる世界、と思ってください。

みなさん、どのように歩いていますか。

まず、着ているものは、キモノです。
足もとは、ゾーリかゲタです。
旅をするなら、ワラジです。

現代の理想の歩き方は、このコスチュームでは、無理でしょう。
そんな簡単に、断言できるのですか。
わたしは、体験してみました。
無理でした。

ほとんで、理想の歩き方とは、反対の方向に向かってしまいます。
なにしろ、力強くは、歩けません。
そういう時代もあった、ということ。

同じ民族なのに、おもしろいことです。
歩き方は、「流行」というコトバでは、くくれないでしょう。
何が、こういう変化をうんでいったのでしょうか。

なぜ、歩くのか

歩く目的。
多くは、その先に「すること」があるからです。

家の中なら、トイレまでゆく。
食堂へ、ゆく。
フロ場に、ゆく。

外に出たら、買い物にゆく。
仕事に、ゆく。

くらしの基本を営む行為が「歩く」です。
歩く、という行為は、そういう意味で、とっても特別です。
すべての基本をなすものですから。

ですから、理想をいえば、なくなる日まで歩きたい。
それが歩行です。
だから、無意識に歩ける方がいいんじゃないでしょうか。
「負荷」をかけなければ、理想とはいえない歩き方って、なんでしょうか。
途中で、挫折しちゃいませんか。

くらしの基本行為である、「歩行」。
ですから、死ぬまで、つきあいたいんです。
ならば、「楽に」歩ける方が、よくはないですか？

楽に歩こうとしていると、はやく歩けなくなっちゃう、ってホントですか？
わたしは、どうも、そうには考えられません。

老いても。
力がなくなっても。
痛みがでても、
それでも、歩ける歩き方。
わたしは、そっちを求めたい。