ラン後の痛み

今回こそは

 

レースを走ったあとの身体感覚、というと、何をあげますか?

爽快感。
やりきった感。
満足感。
充実感。

はいはい、みんな、いわば正の感覚です。
清く、明るく、美しく。

ところが、そういった「」ばかりではなく、「」もあります。
とくに、わたくしのような体力のない人間の場合。

一番にあげたいのは、「痛み」です。
ご近所の、朝ランくらいなら、そんなことはありません。
これは、年とともに感覚もにぶくなっている、ご褒美ともいえます。
年をとっても走れる原動力のひとつです。

ところが、フルマラソンを目一杯走ってみる。
すると、その後、けっこうな痛みにおそわれます。

いわんや、ウルトラマラソン出走後。
こりゃ、どうみてもあやしい歩き方、となるような痛みの発現。

なのに、ラン後の痛みには、いままで無頓着でした。
時がたてば、なおってゆくから。
そして、なおると、その痛みは忘れてしまうから。

こうして、こりずに毎回、痛みにおそわれていました。

 



 

痛みの場所分類

 

しかも、これまでラン後の痛みを、低くみていました。

わたしは、痛みを部位別に、4つにわけていました。

アタマの痛み
胸の痛み
オナカの痛み
その他の痛み

アタマの痛みというのは、見落としアウト、となるものを探すことからはじまります。
すぐに専門的対応が必要なのがありますから。
たとえば、くも膜下出血の痛み。

胸の痛みも、姿勢は同じです。
心臓の血管がつまっていないか、とか。
頻度はさがりますが、そのウシロの大動脈が裂けていないか、とか。

オナカの痛みは、なやましいです。
痛みをかもす臓器や構造が複雑だから。
たとえば、腸の動脈がつまった。
腸管がねじれた。
こういう場合、はやくにオナカを開けないといけないこともあります。
ほかに、卵巣もあるし、腎臓もある。

で、あとの分類は、「その他」です。
すいません、このあたりで、手の抜き方がバレバレです。

 



 

運動器に着目

 

そこでこのたび、「運動器の痛み」という独立した章立てをつくってみよう。
思いつきです。
カッコよくいうと、新たなココロザシです。

運動器ってなんだ。
これを、かってにまとめさせていただきました。

皮膚
筋肉
関節


この4つをふくむ組織を「運動器」とさせていただきます。
本来の運動器と違うって?
すいません、本来、という本家の知識がないものですから。
あくまで、ここだけの、自己流の解釈です。

これらが、なぜ痛むのか。
どのように痛むのか。

もちろん、わたしの浅知恵ですから、見当違いがあります。
その点は、ご了解ください。

で、この4つの運動器部門。
勝手に痛むことはありません。
痛むには、理由があります。
システムがあります。

 



 

いいつけるヒトが必要

 

仕事をしている格好。
じつは、うまくサボっている。
というのを、忠告されることがあります。

どうして、わかったんだろう。
それは、コッソリ見ていて、いいつけるヒトがいたからです。

運動器の痛みも、同じです。
それぞれの4部門に、痛みをいいつけるところがあります。
いいつけるところを、「痛みの受容器」といいます。
ここが「痛いよう」という信号を脳におくって、痛みの発生となります。

では、痛みの受容器は、どこにある?
ざっくり、まとめてみました。

皮膚は、皮膚の下の「真皮」という層。
筋肉は「筋膜」。
関節は、関節をつつむ「関節包」。
骨は「骨膜」。

そう、すべて、そこをつつむ「」のイメージです。
受容器の大原則。
つつむ「」に、痛みの受容器をおいておく。
つまり、痛みのセンサーですね。
中身には、おかない。
だって、中身は、活動するところだからです、多分。

これは、全身の基本原則です。

たとえば、脳ミソ。
脳の中には、痛みの受容器はおかない。
脳をつつむクモ膜におく。
だから、脳出血は、痛くない。
くも膜下出血は、痛い、モーレツに。

身体だったら、どこでも痛みうる、というわけではないんですね。

 



 

スイッチ

 

では、痛みの受容器は、どうすると「痛み信号」のスイッチが入るのでしょうか。

基本は、そこの流れ(血流)がとどこおると、スイッチが入る。
血流というのは、休みなく流れています。
そこがとどこおると、痛み物質が発生します。

これが、痛み受容器にくっつくと、痛みのスイッチがはいる。

具体的には、さまざまな血流のとどこおりがあります。
たとえば、筋膜周辺でかんがえてみます。

ハードな運動後:筋繊維だけでなく細血管が、微小断裂して、流れなくなります。
打撲:その一帯の細血管をふくめた損傷
強い冷え:血管が収縮して、血が流れなくなる(凍傷)。
切創:血流断裂。

こういう場合、みんな血流がおかしくなりますね。
すると、痛み物質が、発生します。
その痛み物質を察知した筋膜(痛みの受容器)は、痛いよ信号をだします。
それがいわゆる「筋肉痛」です。

痛みは「ペイン」といいます。
なので、痛み物質を「P-物質」といったりもします。
ピーちゃんです。
たとえば、ブラジキニンなど。

今回の結論です。

血流は、とどこおると「痛み物質」をつくる。
それを「痛みの受容器」が察知すると、そこの場所の痛みとなる。
痛みの受容器の場所が、痛く感じる。
どこでも、勝手に痛むわけじゃない。

 



 

たーさん
運動器 痛みの理屈を 解明しよ

 

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