飛脚走り、嵐に完敗

松本マラソン中止 2018年9月30日(フル)

 

このレースは、とのタタカイだ。
嵐といっても、ジャニーズじゃありません。
はなから、相手にしてもらっていません。

嵐の正体は、大型でひじょうに強い台風24号です。
沖縄から九州にすすみ、刻々と松本方面をうかがっている、という状況です。

すでに、おとなり群馬では、榛名湖マラソンの中止が決定し、ねばった赤城ヒルクライムも中止の決断がくだされました。

しかし、松本マラソンは踏ん張っています。
最後の最後まで状況を見とどけよう、そして可能ならば開催にこじつけよう、というメラメラとした闘志が伝わってきます。アツイ。

嵐が先にゴールに到達するか、わが飛脚走りが嵐に先んじてコールできるか。
こんな緊張感をもったレース、ひさしぶりです。


待ってろよ、松本

 

突然の訃報

 

松本マラソン前日。

雨はふっていますが、これは秋雨前線によるものだから、台風とチャンポンにしてはいけません。
実際、風もともなっていません。

金曜朝から当直をはさんで土曜のお昼までつづいた勤務をおえると、松本マラソン準備にとりかかります。

は、前提にしておく。
加えて、天気図をよめば南風。
南方にすすむコースだから、向かい風は強いだろう。
正面からくる雨と風だと、9月といっても、想像以上の体温をうばうかもしれない。
松本、標高も600メートルくらいでしたか。

レースを想定しての、持ち物チェック。
当日未明にたつ予定なので、はやめに風呂に入って休んでおきたい。

という時間帯でした。
松本マラソン中止
前日、土曜日の午後7時、ネットで一斉にながれた情報。

すでに松本入りしていたランナーも多かったことでしょう。
時間が、主催者の苦悩を伝えてきます。
そうですか、一気に力がぬけてゆきます。
飛脚走り、発揮できず。
ワラジで、雨中を走りきる決心をしていたのに。
今年、岩手銀河100Kマラソンにつぐ中止決定。
人生メロメロ。


 

あけた当日

 

あかるい。
風がない。

いえ、決まったことには、何も申しません。

だめなら、いつもの休日コース、一周22キロをまわって1日をはじめようか。

でもね、ちょっとココロにひっかかります。
今日は、フルマラソンだったはず。
42キロを走る決心をしていたんです。

もう少しゆくか。
気分をかえて、別のコース、別の景色を走ってみよう。
ひとりなので、レースペースというわけにはゆきません。
ゆっくり、ゆっくり。

早朝、6時台こそときおり霧雨もまじりましたが、その後は明るくなる一方です。
くわえて、ずっと無風状態。
うーん、絶好のランニング日和
結局、このおだやかな天気は、夕方までつづき、午後には薄い日差しもさして、いえ決まったことには、何も申しません。

フルの距離をひとりで走ってくるだけの根性はありませんので、今日は30,4キロを走って帰宅。
そのあとは、今年豊作の栗拾いとイガの始末。
草の勢いが、ないできたのがうれしい9月最後の日曜日。


 

雨の日のウンチク

 

まとまった距離を走れるのは、休みの朝くらいです。
ですから、休日に雨がふっていても、いつも通りに走りにでます。
どうせ、走ればぬれるんです。
雨の日だって、レースはあります(台風、大雪は例外)。

では、雨の日は、何に注意したらよろしいでしょうか。

濡れないように」ですね。

ブブー。
雨の中を走るのに、濡れるのを躊躇してどうします。
雨とお友達になりましょう。

わたしは「濡れ冷え対策」じゃないかと思っています。
濡れると、いつもより体温をうばわれます。
その結果の体温低下には気をつけたい。
だから、体温低下の心配のない暑い日のランニングは、お気楽にシャワーランを楽しめばいいんです。

伝説の(と自分で決めている)2013年4月23日のチャレンジ富士五湖ウルトラマラソン大会が思いだされます。ほぼ軽井沢と同じ標高地帯のレースです。

あの日、スタート会場は、しんしんと降りつづくでした。
午前5時にスタートすると、やがてみぞれ混じりのどしゃ降り。
みぞれは昼前にはみられなくなりましたが、100キロを走るほぼ終日が雨降り
一部、コース面が冷たいのようになっていました。
バシャバシャと、冷水の中に足を入れて走るんです。

はく息も白く、最初にまわる山中湖畔の温度は0℃。
立ち止まってしまったら、こごえて、もう動けなくなる。
そう、本気で思っていました。

救護所では、毛布の中でブルブル動けなくなっているランナーの姿をずいぶん見ました。

あの日は、ゴールまでかかった時間は13時間31分。
地下タビだったのですが、当然ビショ濡れです。
何もかもが、ビショ濡れです。

体力より、根性より、雨冷え対策が問われた大会でした。


 

守るべき本命

 

雨の日に一番守りたいところは、どこでしょうか。

わたしは、オナカと信じています。

オナカが冷えると、体調は一気に下降線をたどりはじめます。
痛くなる、走れなくなる、立てなくなる、食べられなくなる、力が入らなくなる。

では、オナカの冷えは、どうしたらわかるでしょうか。

さわってみることです。
さわって、冷たかったら要注意。
冷えが始まっています。
これは、日常生活でもいえることですけどね。

上半身、その中心であるオナカさえあたたかさを保っていられれば、雨だろうが、雪だろうが、晴れても氷点下だろうが、カラダは働いてくれます。
アタマや手足や下半身は、オナカさえ冷やさなければ、血流がまわっていますから何とかなります。
しかも、走っているんですから。
熱を産生する行為中です。

オナカは、単なるカラダの中心、というだけじゃないんですね。
命の中心、活動の中心、体の暖炉です。
あと、免疫の中心(余分かもしれませんが)。

だから、お「中」というんです。


 

オナカの守り方

 

具体的に、オナカは雨からどのように守ったらよいでしょうか。

吸湿性の衣類をつける、というのも大事でしょう。
これは、常識になりつつあります。

その中で、いがいと忘れがちなのが「風対策」です。
風にあたると、体温はモーレツに奪われてしまいます。
風がふいていなくても、走ることは、風をうむ行為です。
雨よりも風対策。
これが、雨冷え対策の切り札と感じています。

わたしは、レース中に雨で冷えそうと感じたら、シャツの上にシャツ型に切った薄手のウィンドブレーカーをはおり、その上にゼッケン付きのシャツを着ます。
つまり、袖をおとしたウィンドブレーカーを中間着にする、ということです。

薄手の安いウィンドブレーカーは、ワークマンやしまむらなど、そういう感じのお店で手にはいります。
ベスト型のウィンドブレーカーでも、使えます。

ほんとうに寒い日は、中間着にふつうのウィンドブレーカーを着ちゃいます。その上にゼッケン付きのシャツ。

どうしてシャツの上に、中間着としてウィンドブレーカーをつけるのでしょうか。

走って風をうけると、ウィンドブレーカーの中に、けっこうパカパカと風が入ってくるからです。
ヨットの帆みたいになってしまう。
それが、意外と寒さをまねいてしまいます。
ですから、その上にもう一枚シャツをはおると、体にフィットし風の流入をシャットアウトしてくれます。

走っていて熱がこもりそうなら、ベスト型や袖切り手作りウィンドブレーカー。
それ以上に寒そうなら、袖まで風をさえぎる普通のウィンドブレーカー。

もちろん、雨の日ばかりじゃなくて、寒い日の1着としても重宝するんです。
寒さ対策の切り札にもなる。

そして、わたしが個人的にご愛用なのが、「ランナー用の腹巻」です。
ラクダじゃなくて、オナカにぴったりして風を完全にシャットアウトしてくれる、すぐれものアイテムです。
あたたかいよう。

もっとも、腹巻は、一年中、熱帯夜でも寝るときは腹巻を欠かさない腹巻フェチのわたしの趣味ですけど。

そして、雨の日や寒い日は、冷たいものの取り方にも気をつけたいですね。
いくら、そとから冷えをふせいでも、直接オナカの中に冷え冷え攻撃加えちゃ、オナカも困惑してしまいますから。

オナカをあたたかく。
そして、できればココロもあたたかく。

雨の日だって、走りを楽しみましょう。


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