古河はなももマラソン2019、帰路は遠かった

春の古河路

 

3月10日、茨城県古河市中央運動公園前の道は、スタートをまつランナーたちの列で、先頭が見わたせません。
年々、人気がたかまり、きょうは1万人以上がフルのコースを駆けぬけるそうです。

はなももは、まだ咲いていませんが、青空に響きわたってくるのは、ヒバリではなく、カラスでもなく、そうか、本日のゲスト千葉真子さんのおチャッピーな声でした。

もり上がっています。
ちょっと前の天気予報では雨となるはずだったのですが、ランナーたちの熱気が雨雲を蒸発させてしまったようです。
どこまでも広い青空が、ずっとおおっています。
広く感じるのには、理由があります。
山が、ない。
関東平野の、ど真ん中。

いつの間にか、先頭はスタートしたようです。
うしろまで号砲はとどかず、ランナーの流れもはじまっていないのでよくわかりません。
とつぜん、打ち上げ花火があがったのです。
派手な演出。

 


 

四つ角に今日の運命が

 

盛大な大会、ということは、コース上にランナーがたくさん、という意味です。
上下にはいませんが、前後左右に、ランナーの波
いつも、ひとりで走っているわたしには、うわあ、という非日常感を強くいだきます。
当面、流れにのってゆくだけです。

道幅も、決して広くはありません。
少しバラけた気分にひたれるのに、およそ17キロを走る必要がある、というとオーバーな表現になってしまうでしょうか。
その先も、しばしば高密度のランナー地帯があらわれます。

はなももマラソンのコースの特徴のひとつが、Uターンの多さでしょう。
走ってゆき、180度まわって、もときた道をもどる。
これが、5つあります。

「もどらすくらいなら、ゆかせなきゃ、いいじゃないか」
これをいったら、マラソンになりません。

特に21キロの中間点をすぎた先にまつ大きな四つ角
はなももマラソンでは、この4差路を、すべて使います。

 


 

まず四つ角に突入したら、左の道へ入り、しばらくいってUターンしてもどります。
そしたら、ふたたび左の道へ入り、いってUターンしてもどる。
そしたら、再々度左の道へ入り、以下同文。
で、またもどると、最初にきた道をもどって帰ります。

この四つ角に立っていると、同じランナーに4度会える、ということです。
そして、この地点で、黄色い声援を送っていただいていた千葉真子さんと出会えて、ハイタッチしていただきました。
はい、ミーハーです。

今回は、この四つ角で、物語が待っていました。

 


 

アクシデント

 

四つ角の3番目の道にわけ入り、30キロ地点をふんで、最後の5番目のUターンをおえての畑道。
コースをはずれた歩道奥で、うずくまってオエオエしている男性ランナーに目がいきました。
なぜか、こういう光景が、視野に入ってしまいます。

「ダイジョーブですか?」
オエオエ中の方に声かけしても返事はできない、のは承知のうえで、アヤシイ者ではありません的アプローチ。
うなっています。
軽く、背中をさわる。

ランナーが吐くほどのときは、しばしばオナカの差し込みを伴っています。
走れない、だけじゃなく、痛い、声も出せない。
重症者顔色に反映されてきますが、このランナーはまだそれほどではなさそうです。

走っているのに、白いのは重い、青いのは重症です。

「は、はい、大丈夫です」
やがて声が出せて、視線を向けていただけました。
「助けはいりますか?、ひとりで様子がみられますか?」
「大丈夫、です」

はなももマラソンで感心するのは、コース上に大会パーカーをきた方が多い、ということです。
いざというときの、救援ボランティア
まず、コース上で孤立することはないでしょう。
「じゃあ、少し休んで、気をつけて」
背中をかるくたたくと、おまかせとして、レースに復帰。

ゴールは、まだ、まだ。

 


 

そしてガス欠か

 

最後の四つ角をぬける33キロ地点。
あとは、ゴールをめざして、もどるのみ。
このあたりから、ペースがガクンと落ちてきました。

遅れをとり戻そうとスピードをあげちゃったわけでもないのですが、足の運びがあきらかにキツくなってきました。
欲をかいて、ついダッシュしてしまっていたのかなあ。

息がきれてくるわけじゃありません。
ただ、カラダが前に進まなくなる。
足が、かたくなってくる。
不思議な感覚です。

1週間前の東京マラソンで、中間点を先頭集団で走りぬけた日本人3選手が、後半に入ると、次々とペースを落としていった光景に重なります。
いえ、めっそうもありません。
そんなプロの選手と比べようなんて、おこがまし過ぎます。
でも、ペース配分のビミョーさは、だれもが経験することじゃないでしょうか。

歩くなら、歩ける。
でも、歩きたくはない。

こういう感覚をもったところで、走りはガタガタってきちゃうものです。
アタマが走りを制御する、という感じです。
そして、甘い方甘やかす方へ、たなびいてしまう。
はい、自分の弱さ、わかっています。

トドメは、38キロ地点のチョコレートエイド
チョコが、これでもか、とテーブルの上で待っています。
「うわあ、おいしそう」
「いっぱい、食べていってね」
「おいしい。もう走れないけど、元気がでます」
「このチョコは、ここ(古河)で作っているのよ」
「え、工場直営ですか」
「ほら、このチョコも、ポケットに入れていきなさい」
「うわあ、そんなに。うれしいです。お守りにもなります」
「じゃあ、反対のポケットにも入るでしょ、ほら」

よっぽど貧相に見えたのか、気前がやけにいい。

に、にげてる、レースから。
ランパンの両方のポケットには、いただいたチョコでホッコリ。
もう、飛脚走りではありません(笑)。
食べ物をホッペにふくんだリスか。

ポケット一杯のしあわせ。
ちいさな胸の痛み。


 

あと一歩

 

ゴール会場が見えてきました。

あと1キロの案内表示。
天をあおいで、大の字でコース脇にのびているランナーがいます。
もう大会の方が、かこんでいます。

「大丈夫ですか?」
つい、おせっかい。
ニコッと笑顔で、うなずかれました。

向こうから、タンカを担いだスタッフが来るのがみえます。
両足のツレのようです。
おまかせ、です。

フルマラソンも最後になると、足もかたくなってきます。
ゴールしちゃえば、やわらかくなってゆくのに、不思議な現象です。
今のボクも、そう。
かたくなって、自由がきかない。

水分不足も、あったのかもしれません。
スタート前、あたたかくなってきたのに、水の持ちあわせを忘れていました。
走りはじめてから、ノドのかわきを、感じていました。
そんな、ヤワな性格じゃないのにな。

日常のタラタラ走りと、ペース配分のちがうレース独特の環境も関係あるのかもしれません。

4時間6分39秒でゴール(ネットタイム)。

毎日、勉強。
毎回、宿題。
そう、次はコノ対策。
ノートに、また課題がひとつ加わりました。

 

たーさん
走る都度 ふえる課題と 反省の数

 


 

↓ よろしければ、清き1票をお願いします(1日ワンクリック有効)

にほんブログ村 その他スポーツブログ マラソンへ
にほんブログ村