さくら さくら
散る桜
残る桜も
散る桜
良寛さんは、ミもフタもない歌を残されていますね。
どんなにキレイに咲きほこった桜も、やがては、みな同じ運命へ。
人生ですねえ。
散る記録
昇る記録も
散る記録
長く走っていれば、やがては必ず訪れる自己記録。
うーん、つい桜の季節は感傷的になってしまいます。
どこが感傷チックなんじゃい、と突っこまれそうですが。
落葉樹の花のつきかたは、ふたつに分かれるようです。
花をつけ、その散るのをまって葉が芽ぶく木。
葉がまずおおってから、花をつける木。
前者の代表が桜であり、梅もそうですね。
枝だけの中に、あでやかな花をいっせいに開花させる。
演出効果バツグンです。
とくに淡いピンク色にそまるソメイヨシノは格別です。
今年も、ランニングコースに、桜を見ることができました。
見上げる桜、三色世界。
お地蔵さんも、見上げる桜。
見上げる坂、坂、坂をかこむ桜。
桜がよんでくる
田舎に住む以上、人より自然にかこまれる環境です。
人より、木の方が多い(木こりも大変です)。
人より、ムシの方が多い(これは困ったちゃんです)。
場所によっては、人よりブタやニワトリの人口のほうが多い。
木の種類だって、数えきれません。
雑木林が多い当地は、とくに多種類の樹木が繁っています。
桜の木も、そのなかのひとつでしかありません。
でも、いっせいに花をつける今だけは、桜が主張しています。
どんなに遠くからでも、あ、あそこに桜の木がある、とわかります。
その期間は、たかだか1週間とちょっとだけ。
ですから、貴重な1週間。
1年に1度しか訪れないこの季節。
桜の花に誘われるままの休日朝のランニング。
坂の多い土地柄です。
川と桜。河津桜じゃありません。
古木もガンバる。
曲がり道と桜。
桜の強さ
桜の木は、いがいと繊細です。
へたに幹を傷つけてしまうと、そこから枯れてしまうこともあります。
だから、めったなことでは、桜の枝を切るなと教わりました。
もし切っちゃったら、正直に「わたしが切りました」と名乗り出ましょう。
ワシントン少年は、そうやって大統領になりましたっけ?
一方、梅の枝は、どんどん成長してしまうので、剪定を欠かすといい実ががつきません。
昔のひとは「桜切るバカ、梅切らぬバカ」といっていました。
でも、桜の根っこは丈夫です。
深く根をはる。
ですから並べて植えておくと、一体の地盤が強固になります。
そのため、昔から土手などに愛用されました。
花見のため、以前に、実用性も加味されていたようです。
柳の根っこも同様ですが、季節はオバケの夏がお似合いです。
ですので、田舎でも、花見客はこなくても、こんなところに桜並木が、という場面にこと欠きません。
その下を走るのは、桜を独り占めした気分でサイコーです。
フカフカランニング。
草の上ランニング。
ポヨポヨランニング(意味なし)。
下り道ランニング。
ウイークデイ朝ランコース。
孤高の桜
並木ってる桜は、いってみればカンカン踊りみたいな華やかさでしょうか。
それとは別に、ポツンと1人で花をつけている桜は、独特の静けさとともにリンとした華やかさを覚えます。
わたしは、大好きです。
特に気にいっている秘密の桜の古木があります。
場所は、山の中腹。
近くに、車の通りはありません、車道がないから。
人もまずこない。
それでいて、ポッとあいた空間。
そこで、深呼吸をするように花を開かせている。
誰のために、何のために咲いているのでしょうか。
幹はツタがからんでいます。
遠景もすてきです。
プロの写真家がとったら、すばらしい作品ができうるであろうこの場所を独り占めする快感。
さくらよ、今年も元気か。
いやあ、ついフーテンの寅さんになっちゃう瞬間。
満開には、ちょっとまだでした。
ここは遠景を眺めながらの桜。
おだやかなパノラマランニングも楽しめます。
季節ランニング
季節を感じるランニング。
四季があり、天気のうつろいがあり、大きな気温差も感じられる、大地ランニング。
桜の季節は、すなおに桜を愛でましょう。
桜並木の下を走りぬけるのに、最高の季節です。
だって夏は、ちょっと遠慮します。
下草もさることながら、上からアメリカシロヒトリがボタンボタンと落ちてくるものですから。
そして桜の花がさくと、フルマラソンのシーズンもひと段落、という感じになります。
これからは、もっとゆっくりした走りを楽しむシーズン。
そして、本格的な草むしりの幕開け。
しゃがみこんで、30分草をむしり続けられますか。
走るのにつかうカラダと、じつに重なることがわかります。
この日(4月7日)は、さくらさくらの朝ランでした。
走行距離 23,4km。
2時間34分4秒。
6分34秒/km。
ただし、写真をとるときは、時計は止めておきました。
締めは、わが家の桜です。
桜さく 老いも若きも みんなさく
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