免疫クン登場
「さむさ」は、カラダが体温を保てないときにつたえる声で、そのヌシは「体温中枢」です。
冷えこんだとき、薄着のとき、雨にぬれたあと。
「さむけ」の声のヌシは「免疫中枢」です。
カラダが免疫機能を発揮したくて、平熱を上まわりたいときに出されます。
緊急の免疫機能出動の一番の原因は、バイ菌が体内に侵入してきたときです。
このとき、カラダは「免疫クン」の声を最優先しようとします。
だって、バイ菌がカラダの中で増えてしまったら、最悪の場合、命にかかわることだってあるわけですから。
そのため、他の機能には、「少し休んでいてね」という協力要請をします。
あまり食べすぎないでね。
あまり動きすぎないでね。
もっとも、これほどストレートな表現はしにくくて「食欲低下」「だるさ」で伝えてくるわけですが。
ふだん、ちゃんと協力体制、とっていますか?
免疫クンの声(1)
バイ菌がカラダの中に入ってきたら、ボクが中心となってガンバるからね。
ただボクが活動するためには、いつもの体温よりも高い環境が必要になるんだよ。
どのくらいの高さかって?
それは、相手のバイ菌の戦力分析で決めるんです。
手ごわいバイ菌ほど、高い体温でないとボクは活躍できません。
たとえば、インフルエンザウイルスは、ものすごいスピードで増えるから、ソッコー高熱臨戦状態に入りたい。
だから、フシブシが痛くかんじるほどの緊急さむけ警報をだすんです。
ボクが活動するあいだは、そういうわけで、他のミンナには高温環境を作っちゃうので申しわけないと思っているんですよ。
せめて、このあいだだけでも、無理しないで、休めるものなら休んでいてください。
真夏日の炎天下のもとで無理したらよくないですよね。
それと同じことです。
免疫クンの声(2)
ボクが活躍できる体温に達するまでは、「もっと体温をあげて」っていう声をだします。
「ゾクゾク」させる、ということです。
このときは、体温をもっと上げたがっているんだ、と早く気づいてください。
協力してください。
バイ菌が増えるまえに、はやく戦闘体制をととのえたいんです。
活躍体温まで上がったら、あとは一生懸命にバイ菌と対峙してゆきます。
このあいだは、できるだけ高い体温をたもって、ボクの活躍を応援してください。
ボクは「ポッポ」感として、この気持ちを伝えます。
青白い「ゾクゾク」感から、湯上りみたいな「ポッポ」感への切りかえですね。
このとき、体温が高いといっても、必要な高熱なんだから無理に下げようとしないでもらえるとうれしいです。
ですから他の機能のみなさんは、この時期は、どうか無理しないで休んでいてください。
「ポッポ」期は、どのくらいの時間がかかるのか、ですって?
それは、バイ菌がいなくなるまで、です。
相手の軍勢次第、というわけです。
カタがついたら、また伝えます。
バイ菌がいなくなったら、上げてもらった体温は、もとの平熱にもどしてもらって大丈夫です。
こんどは、熱を下げて、みんなが働きやすい環境にもどします。
どうやって、熱を下げるのか、ですって?
少し汗をだして、その気化熱で冷やす方法をとります。
そう、汗ばんでくるんです。
カラダの感覚としたら「ジットリ」感の出現ということになります。
うっすらとした汗で、じっとり。
ポッポしたユデダコ状態から、ジットリ汗が浮かぶようになったら、ああバイ菌はいなくなってくれたな、と判断してもらって大丈夫です。
汗は、強力な体温低下作用をもっています。
だから、このときは、汗で冷えすぎないよう注意してください。
冷えすぎて、またカゼのぶりかえし、ではせっかくのボクたちの活躍もオジャンですし。
カラダ感覚の3変化
ボクの3変化、わかってもらえましたか。
記憶にのこりやすいように、標語化してみます。
「ゾクゾク」期
免疫クンが活躍できる体温まであげようとしている時期。
「ポッポ」期
免疫クンがバイ菌あいてに戦っている時期。
「ジットリ」期
免疫クンの役目が終わって、体温をもとにもどしている時期。
この典型的な3つの時期感覚を味わえるのが、「カゼ」や「インフルエンザ」というわけです。
あ、いま、3つの時期のどこにいる?
そう自分に問いかけることで、免疫クンの働き具合、侵入ウイルスの状態、などもうかがい知ることができるわけです。
そして、この3つの時期がちゃんとある、ということは、「免疫機能」がちゃんと働いてくれているというあかしでもあります。
カゼはちょっとつらいけれど、自分の免疫機能の評価やメンテナンスとしても利用できるんです。
こういう、ふりかえができるのであれば。
「今、免疫機能のどこにいる?」という目です。
ここがポイント
ゾクゾク期→ポッポ気→ジットリ期。
このうち、もっとも着目したいのは、どれでしょうか。
みなが大事なんですが、とくに「ゾクゾク」期です。
ゾクゾク期→菌がカラダに侵入してきたよ、という合図です。
捕物帳でいえば、「犯人見つけたぞー」といってピーと笛をふいて知らせる状況です。
さあ、免疫クンの活躍をはじまるぞ。
極端な話、ここで瞬時に体温をあげて、一気に免疫クン活躍の場を提供できたら、どうでしょうか。
侵入して、まだまばらなバイ菌軍団なんて、たちどころに蹴散らかされて一件落着となってしまいます。
みせ場もなし。
「あ、カゼかな」と感じたゾクゾク感。
これを30分以内に「ポッポ」感までもってゆければ、すぐにウイルスは駆逐されてしまいます。
だって、ウイルスは、ろくに増える間もないわけですから。
これを俗に
「30分でカタがつくカゼ対策」といいます。
ただし、みんながコレをやっちゃうと、冬場の病院収益が減ってしまいます(笑)。
火事と同じですね。
ボヤで解決。
ときどき「何年もカゼをひいたことがない」という方がおられます。
つまり、ボヤさえおこさない。
これは「ゾクゾク」を生じない生活、ということにほかなりません。
意味が、わかってきましたか?
反対に、「ゾクゾク」期が長びいたら、どうでしょうか。
まだ免疫クンの迎撃体制がととのわない状況です。
ですから、バイ菌はカラダの中で、増殖をつづけます。
一般に、1人のバイ菌が、日本の人口1億人以上になるのに要する時間は1日でオーケーといわれています。
誤記ではありません。
1日、24時間です。
ゾクゾク期が1日つづくだけで、テキはこんなにも増えている。
だもの解決するのに時間がかかる、のは当然です。
つまり、長引いてゆく。
あな、おそろし。
みんなが集まったときの定番は「まず乾杯」。
同じように、ゾクゾクしたときの定番をもっておくと安心です。
「ゾクゾク」と、どのようにつき合うか。
「ゾクゾク」をキーワードにもっておくと、くらしの工夫への目が広がります。
ゾクゾクが こない生活 カゼ無縁
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