まっすぐ
マラソン競技の最大の評価点は、スタートしてからゴールまでのタイムです。
ようするに、いちばんはやくゴールしたランナーが1等勝。
タイム イズ 順位です。
ですから、コースはできるだけ効率的にすすみたい。
こんなことは、あたりまえです。
フルマラソンの距離は、42.195キロです。
ただし、この距離がずっと1直線というのはありえません。
カーブがいくつもあります。
そのためのコース取り、は案外に重要です。
まっすぐにゆけば1キロの道も、とりかたによっては何十メートルの差だって生じ得ますから。
できるだけ、まっすぐにすすむ。
あたりまえすぎて、すいません。
トラックの短距離走では、さらに気をつかいます。
同じ距離を走るにしても、内側か外側か。
カーブのまわり方さえも、タイムに影響するようです。
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あえて、非まっすぐ宣言
まっすぐに走るのが、いちばん効率的。
カラダへの負担も、最小限におさえられるでしょう。
なのに、まっすぐに走らない。
そういう走り方を、とり入れてみませんか?
まっすぐにゆこうとすれば、ゆける。
なのに、あえてジグザクの道をきざむ。
こういう走り方がある、と知ったのは以前紹介させていただいた『ランニング王国を生きる』という本の中です。
この本は、エチオピアランナーの日々の練習にくわわった体験談、というナルホド的記載がたくさんたのしめます。
エチオピアの高地。
林のひろがる大地。
この木々のあいだを、エチオピアランナーは、ジグザクジグザクと走りぬけてゆきます。
右にまがる。
すると前に木がしげっているので、左にまがる。
そして次にあらわれた木をさけるため、またまがる。
結果として、けっこうなジグザク走となります。
どんなジグザク模様をえがくか。
それは、木のしげり方次第です。
いいかえれば、ほぼ無限大のジグザグ模様がつくれます。
毎日、毎日走りつづけていれば、林の中にも足跡ができます。
そのラインが、じつにきれいな幾何学模様をえがいています。
まさに、大小の菱形模様。
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魅惑
たまには、こういう走りもおもしろそうだな。
いえ、たまにではありません。
この本にでてくるエチオピアのランナーさんたち。
ほとんど毎日、林の中を、ジグザクジグザク。
走りにも、効率が大事。
フォームも、バランスが大事。
そして今は、走った距離の計測も大事な記録となります。
ところが、このジグザク走。
効率という点からみたら、なんて不効率。
フォームだって、さだまらないでしょう。
走った距離だって、計測用腕時計さん、ちゃんと測れますか。
おそらく無理でしょう。
ジグザク部分が、はしょられてしまいます。
という、パッと見てよろしくない条件は、いくつもあげられます。
そのためなのか、ジグザク走をされるランナーは、日本ではあまりお見かけしません。
はなしも、聞きません。
そもそも、ジグザク走りを楽しまめるような広大な林はめったにありません。
わたしの記憶では、三保の松原がそういう林だったような気がするくらいです。
ただし、そこは海岸沿いで、エチオピアのような傾斜地ではありません。
木がたくさん生い茂っている場所はないものか。
それだけでしたら、わたくしのご近所は、そんなところばかりです。
ただし、木だけが立っているわけではありません。
下草やツルなどがわんさか。
そもそも、安易に入ってゆけるような場所ではないんです。
ようするに、熱帯雨林化しているありさまです。
ジャングル。
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なんちゃって林の中
でも、林の中には、何か「ヒミツ」が隠されてはいまいか。
ですから、いい林がないなら、作っちゃおう。
ということで、なんちゃって林を作ってしまいます。
作る場所は、アタマの中です。
実際の木は、繁ってはいない。
でも、イメージしてゆくのです。
つぎは、イメージにのる場所探しです。
まず、ひとがいないところ。
なんとなく、見られたくないじゃないですか。
そして、車のこない場所。
安全第一。
これなら、だれもこない道だって林の中になりえます。
そこをジグザグに走ってみる。
ななめにすすむ。
そして前方に立木が出現(したつもり)。
さっと、方向を切りかえる。
この繰り返し。
都会だって、イメージでなら、こういう空間はつくれるでしょう。
たとえば、体育館。
小学校の校庭。
トラックの中の空間、とか。
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いざ実践
さっそく、なんちゃってエチオピアランナーのジグザグ走。
酔っぱらいランじゃありません。
熱中症でもありません。
まっすぐに走るときには使わない部分に、刺激がビシバシ。
しかも同じ刺激はつづきません。
あっちを使う。
こっちを使う。
まず、足ウラがおどろきます。
モモも、どうなってるんや。
腰まわりだって、アレアレアレ。
ああ、全身がおどろいている。
ジグザグ走ってみるだけで、全身の柔軟体操みたい。
ついてゆくのは大変だけど、新しい感覚。
バランスも、よくなってゆくような気が。
エチオピアランナーだけの楽しみじゃ、もったいないです。
けっこう、クセになります。
まちがって、エチオピアランナーみたいになれないか。
そう、ワシは日本のハイネ・ゲブレシラシエになるんや(無理です)。
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ジグザグと 走るカラダに 神宿る(?)
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