痛みよ痛み
ハダシで、ろう下を歩いていました。
「イテテて」
なぜか、ろう下に、ピーナッツが落ちていました。
それを右足で、踏んづけてしまったのです。
これを、右足ウラで、痛みを感じた、と表現します。
そこで、あらためて、いくつかの疑問です。
なぜ、足のウラは、痛いという感覚をうんだのでしょうか。
なぜ、痛んだのが、右足のウラだとわかったのでしょうか。
痛みを察知したのは、どこでしょうか。
足のウラでいいのか、脳ミソなのか。
痛みは、何となく、生じるものではありません。
きちんと、カラダの中に、「痛みの回路」というのがあるんですね。
痛みの回路が、正常に働いたから、痛みを感じられました。
もしも、痛みの回路がちゃんと働いてくれなかったら、どうなるでしょうか。
痛いはずなのに、痛みを感じない。
あるいは逆に、痛むはずはないのに、痛いと感じてしまう。
痛みの問題は、奥が深そうです。
深みにはまってしまうと、やっかいです。
といって、つかみどころのない問題でもなさそうです。
なぜなら、痛みは、痛みの回路内の問題であるからです。
ところで、ランナーは、痛みとエンが深い人種じゃありませんか。
よく痛い思いをする。
ですから、痛みの回路を知っておいて、ソンはないかも。
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痛みの刺激の伝わる回路
足ウラの痛み刺激は、最終的に、脳ミソまで伝わります。
そこで、「痛い」と判断されると、痛い。
判断されなければ、痛くない。
この伝達される道は、だいたい解明されています。
題して、「痛みの道」。
痛みの回路の中にできている道です。
そのまんまの命名、まったく芸がありませんけど。
痛みの刺激は、この道からはずれて伝わることは原則ありません。
ですから、この道を知っておくと、何かと便利です。
なんとなく痛い、というのは、本来ありません。
痛いか、痛くないかだけです。
それは痛みの道に、刺激が通っているか、いないか。
どちらかです。
あとは、刺激の量の問題。
ですから、痛みを考えるとき、痛みの道を知っておきたいと考えています。
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地元から、大都市事務所まで、電車で出かける道すじ
地元で、痛い事件が発生しました。
その解決に、最寄りの大都市事務所まで急いで出かける用事ができた、とします。
どういう行程をとりますか。
新幹線まで使った、電車を想定します。
まず、出発場所は、事件のおこった地元です。
事件現場。
その情報をもって、最寄りのローカル駅まで、まず出ます。
そこで、ローカル線の切符を買います。
ローカル駅から、新幹線駅まで、在来線を利用します。
新幹線駅で、新幹線切符を購入して、新幹線に乗りかえます。
新幹線で、切符を渡して駅を出たら、目的の大都市事務所へ到着。
事件解決にむけた協議を開始します。
地元現場が、痛みの刺激の発生した場所。
ローカル線が、末梢神経。
新幹線が、脊髄中枢神経。
目的地が、脳ミソです。
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痛みの道の流れの地図帳
(1)カラダは、損傷を受けると、「痛み物質」を出します。
痛み物質は、その場の「痛み増幅物質」で、勢力を増します。
強まった痛み物質は、その場で、「電気信号」に変換されます。
電気信号が、ローカル線の切符になります。
(2)現場の電気信号は、最寄りの末梢神経に入ってゆきます。
末梢神経に入った電気信号は、脊髄に向かって、進みます。
末梢神経は、ローカル線にたとえられます。
脊髄は、新幹線にたとえられます。
(3)脊髄入り口まできたら、「抹消神経伝達物質」に、現場の状況を伝えます。
神経伝達物質が、新幹線の切符になります。
(4)神経伝達物質は、脊髄神経に入り、電気信号に変換されます。
脊髄内電気信号は、脳の2ヵ所に向かって、進みます。
(5)脳内に入ったら、脊髄電気信号は、「脳内神経伝達物質」に、現場の状況を伝えます。
脳内神経伝達物質は、脳内の通行パスポートになります。
(6)脳内の2つの担当部署で、脳内神経伝達物質の情報を受けとります。
ひとつは、地図の脳。
ひとつは、評価と記憶と指令の連合脳(総務の脳とします)。
地図の脳で、右足ウラから、痛み情報が寄せられたと判断します。
脳ミソの後ろの方にあります。
総務の脳で、痛みの程度や重症度の評価をおこないます。
同時に、ピーナッツを踏んづけると痛いんだ、という記憶をつくります。
同時に、ガマンしようとか痛み止めを飲もうとかの、行動の指令を出します。
脳ミソの前の方にあります。
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6つの行程
よろしいでしょうか。
現場の痛み事件は、6つの行程をへて、脳内目的地に伝わります。
(わたくしの分類)
(1)痛みの発生現場
痛み物質→痛み増幅物質→電気信号
(2)末梢神経
電気信号で、ゴー
(3)乗り換え
抹消神経伝達物質へ
(4)新幹線
電気信号で、ドッピューン
(5)乗り換え
脳内神経伝達物質へ
(6)脳内事務所へ
記憶の脳、総務の脳
以上、6つの行程です。
6つも行程があるのですが、実際は瞬時です。
右足ウラでピーナッツをふめば、すぐに「痛っ」てわかりますね。
この道すじを使って、痛みの回路はできています。
小さい痛みから、ガマンできない痛みまで。
瞬間的な痛みから、ずっとつづく痛みまで。
痛みを考えるときの基本、と考えています。
痛みの世界は、この6つの回路の中で展開されています。
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痛みには 決まって通る 道がある
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