走りが止まる瞬間

限界点に突入?

 

マラソンレース中のはなしです。
後半戦。
だんだんと、ハンパない疲れがたまってきました。

きついな。

いがいと、こうなる地点も、決まってくるようです。
たとえば、勝田全国マラソン
あの道をくだって、のぼり出すあたりから、ソレがくる。

何度も参加させていただくと、風景がなじんできます。
その中でも、とくに印象に残るコース場面。
それが、いわゆる「限界」を感じた地点、というのが不思議です。
それだけ、印象深くすりこまれる、ということなんでしょうか。

一般的には、しばしば「30キロの壁」なんていわれたりしますが。
もちろん、30キロ地点に、壁ができているわけではありません。

しばしば、アソコで、ガツンとくる。
つい、歩きが入ってしまう。
あとは、ヨレヨレ。

なんていうのが、2回や3回ではありません。
なぜ、急にシフトダウンしちゃうんでしょうか。

 



 

足が出なくなるからなのか?

 

レース中、ガクンとペースダウンしたときの感覚。
この状態を、しばしば「足が出なくなった状態」と説明されます。

ま、たしかに、足は出てくれません。
ですが、そのために前にゆけなくなるのでしょうか。

いわゆる歩幅の広い、ダイナミック走系のランナーなら、そうかもしれません。
モモをあげて、力強く宙を舞い、駆け抜けてゆくランナーでしたら。
今はやりの、厚底・前傾シューズがお似合いの俊足ランナーでしたら。

足が出なくなったら、そのままペースダウンです。

ところが、はじめからモモがろくにあがらないランナーもいます。
枯れてきた、といいますか。
はじめから枯れているのか。
ぼくが、そのひとりなんですが。

イメージとして、キモノを着て走る姿です。
足もとは、ワラジ系のウス底がお似合い。
時代が、一気に、江戸にまで逆走ですけど。

この走りですと、「足が出なくなる」という感覚ではありません。
別のところが、走りのブレーキを生みはじめている。
それは、どこなんでしょうか?

 



 

仙腸関節というところ

 

背骨は、胸・腰とおりてきて、骨盤に合体してゆきます。
その骨盤との結合部分。

その名を「仙腸関節」といいます。
センチョー関節。
船長じゃありません、船乗りじゃありませんから。

関節なんですね。
はい、飛脚走りに足をつっこむまで、知りませんでした。
むかし習ったのもしれませんが。

関節。
すると、パカパカと、蝶つがいみたいに開閉できるのでしょうか。
指や肘の関節は、パカパカ動いてくれますけど。

仙腸関節は、オトナになると、ほとんで動けなくなるそうです。
じっさいに、動かそうとしましても、動く感覚はもちにくいです。
わが感覚からすれば、錆びついてしまった関節。

妊婦さんは、出産のときは、ここがグッと開くのだそうですが。
まさしく、ひらけゴマ。
この感覚も、わたくし、出産経験がありませんので、わかりません。

ふつうの生活をしていて、仙腸関節を意識することは、まずないでしょう。
ところが、走っていると、感じてきませんか?

 



 

シリ球と一体化

 

シリ球(しりだま)というのは、アシの付け根のことです。
股関節部の丸い関節部に、こう命名しました。

キモノ風に歩いたり、走りますと、ここは「左右回転」してきます。
いわるる、ワイパー風動作。
西洋風に歩き、走ると、前後に振れやすいのとは対照的です。

左右にワイパー動作しますと、どうしても骨盤との連動力が強まります。
どうしてですか?
それは、実際に歩いて、走ってみれば、そうなります。

シリ球といっしょに、骨盤も左右に回転してくる。
すると、仙腸関節も、キュッキュッと一体化してくるんですね。
同じ行動となってゆく感覚。

そして、です。
この一帯連合が回転していると、カラダは自然に前にゆく。
歩くときも、走っているときも。

そして、回転がなくなると、止まる。

ああ、レース後半、ガクンと止まってゆくとき、こうなっていたのじゃないかな。
腰の回転が、なくなっている。

ですから、腰の回転を意識できると、前に出る。

 



 

ハイハイ再考

 

シリ球と仙腸関節一帯がいっしょになって回転する感覚。
これを味わうのは、気持ちがいい。
なぜなら、カラダが自然に前に出てゆくように感じられるからです。

歩いているときは、すいすい前にゆく感覚。
走っているときも、力がいらない感覚。

この感覚を、どのように表現したら、いいだろうか。

で、気がついたのです。
これって、ハイハイですすむときと同じかも、って。
ハイハイをいつまでしましたか?
1歳前で卒業、なら、もったいないです。

ハイハイですすんでみると、カラダが、気持ちよくなります。
そのままの感覚で、立ってみる。
そのままの感覚で、すすみ出してみる。

すると、歩きのなかに、ハイハイ感覚が再現されてきます。
走り出しても、同じです。

ああ、4本足と、2本足は、別モノじゃないんだ。
しっかりと、つながっているじゃないか。

ハイハイの身体感覚、おそるべし。
おとなになっても、ハイハイ。
年をとったら、なおさらハイハイ。

どうでしょうか。
ハイハイってみませんか?

 



 

たーさん
回転を つくってすすむ 走りかな

 

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