夏の自由研究、「包力」「包膜」

つながりの基本は「包む」

 

自分は、ひとりの人間。
それを区別できるのは、自分と、自分以外が、区別されているからです。

何で、区別されているのでしょうか。

それは、「皮膚」です。
皮膚の内側が、自分。
外側が、自分以外の世界。

そして、皮膚の中では、いくつものパーツが行儀よくおさめられています。
心臓とか、肝臓とか、筋肉とか。

それぞれのパーツは、どのようにわかれているのでしょうか。
それは、ひとつひとつを包む「」です。
すべてのパーツが、膜によって、包まれています。

さらに、ひとつのパーツは、より小さな単位にわかれてゆきます。
その最小単位が、「細胞」です。
その細胞も、ひとつひとつが「」でおおわれています。

ひとりの人間をつくり細胞の数は、およそ37兆個ほど。
そういう計算をしたヒト、えらいです。

 



 

単位は、包む

 

こんどは、同じものを、にみてみます。

生命の最小単位が、細胞です。
もっと小さな単位にわけられますよ。
遺伝子とか、ミトコンドリアとか。
いえ、それらは、細胞の構成成分のひとつです。
生きものの単位、という目でみると、ちがう気がします。
やはり、細胞が、生命の基本単位でいいんじゃないでしょうか。

ひとつの細胞を形つくるのが、細胞膜です。
」が、ひとつの細胞をつくる。

細胞は、集まって、ひとつの臓器になってゆきます。
臓器は、細胞の集合体です。

臓器の形をつくっているのが、臓器の膜です。
」が、ひとつひとつの臓器を包む。

心臓なら、心臓を包む心外膜。
肝臓なら、肝臓を包む肝皮膜。
筋肉なら、筋肉を包む筋膜。

細胞の小さな「包み」を、臓器というより大きな「包み」で包みこむ。
すべての包みを、うまく配置して、最後は皮膚で包む。

過剰包装、と思われてしまうような包まれ方で、人体はできています。

 



 

臓器のつながりも、包む

 

臓器には、独立性があります。
心臓には、心臓の働き。
肝臓には、肝臓の働き。
筋肉には、筋肉の働き。

といって、つながりなしには、機能できません。
全身は、つながってひとつですから。

ですから、足の指1本の傷が、生活全般の支障をきたすことにもなるわけです。

心臓と肺は、別々の臓器ですが、いっしょに働いている。
その心臓と肺をつなげるものは、やはり「包み」です。
いっしょに包まれて、つながっている。

胃と小腸と大腸も、働きがちがいます。
でも、同じ膜に包まれて、つながっています。
そして、共同して、働いている。

モモの筋肉と、フクラハギの筋肉も、別々の場所で、別々の働きをしています。
でも、実は、連動して働いている。
連動できるように、両者は、つながっていますから。
やはり、ここでも、いっしょに包まれている。

驚くことに、手の指の先から、足の指の先まで、つながって包まれている。
そのすべての上を、皮膚が包んでくれている。

すべては、包まれて、連動しています。

 



 

包みの生理

 

万能包みとして、かつては「フロシキ」が大活躍していました。
単なる、四角い布です。
なのに、包み方によっては、何でも包める。

衣類をまとめて包む。
おまんじゅうを、ごっそり包む。
一升瓶を、何本も包む。
お弁当箱を、包む。

といっても、包み方には、コツが必要です。
うまい具合に、全体を、包みこむ。
きつすぎず、ゆるめすぎず、いい緊張感をもたせる。
ダボダボと、余分な空間をつくらない。

そうでないと、うまく包めません。
持とうとすると、中味がバラけて、くずれてきてしまいます。

そして、フロシキの大きさも、考えなくてはなりません。
小さすぎては、包めません。
大きすぎても、キレイに包めません。

 



 

包力と、包膜

 

カラダの構成成分をつつむ膜。
それを、相生して「包膜(ほうまく)」といいます。
って、ここだけの「造語」です、すいません。
世間では、使われていないコトバです。
新明解国語辞典には、載っていませんでした。

細胞でしたら、細胞膜。
心臓でしたら、心外膜。
筋肉でしたら、筋膜。
全身でしたら、皮膚。

どれも、膜でおおわれて、ひとつの単位になっています。
これを総称して、「包膜」です。
センス、よくないかな。

そして、包膜は、一定の力で、包んでいます。
包む力が弱いですと、形を保てません。
包む力が弱いですと、しめあげて、支障をきたします。

包膜が包む力を、「包力(ほうりょく)」といいます。
これも、造語です。
やはり、新明解国語辞典には、載っていませんでした。

すべての包まれるものは、それぞれ適切な「包力」が働いています。

カラダのすべては、すべて適切な包力で包まれて、機能している。
それこそ、細胞レベルから、臓器、皮膚にいたるまで。

この中で、とくに筋肉系の包膜は、特別です。
なにせ、動きの激しい中身を包んでいるわけですから。
(あと心臓もですが)

筋肉系は、縮んでのばされて、縦横無尽に動きまわっています。
それを包む包膜は、そりゃ大変な仕事を請け負っているということは、おわかりでしょう。

ですから、とうぜん、包膜の疲弊度だって、ハンパじゃありません。
筋肉系包膜が疲れたら、どうなるか。
さらに、考えてゆきたいと思います。

 



 

たーさん
ひとつずつ 臓器の単位は 包まれる

 

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