ホントのゴール
茨城100kウルトラマラソン、よれよれゴール。
ああ、もうこれで、何もいらない。
と、感動にひたっていたいのですが、これでおわりではありません。
家まで帰って、がホントのゴールです。
そのまま一泊、ができないときの宿命。
今回は、車で、ひとりできました。
くるときにかかった距離は、ちょうど200キロ。
翌日は仕事なので、家までの帰りがまっています。
ま、眠けと疲れとたたかいながら、10時すぎには帰れました。
そして、それからが、カラダの変化の本番です。
オレ、どうしちゃったの?
車からおりると、カラダ中がイタタタタ状態。
「痛むところを、指でさしてみて」
という、ワン・フィンガーテストというのがあります。
とても、そんなこと、できません。
あそこも、ここも、って感じですから。
何とかしないと、生活にも仕事にも、さしつかえてしまう。
さしつかえると、次のレースには、出してもらえなくなってしまう。
現実というのは、こういうものです。
筋肉の再生過程
走りで痛んだ筋肉は、走りおえた時点から、再生過程に入ります。
筋肉だけでなく、カラダのモロモロが、同様です。
まことに、ありがたいしくみです。
ここでは、筋肉に着目してみます。
無理をすると、筋線維は、微小断裂という変化をおこします。
文字通り、こまかい損傷。
血液をしらべると、筋肉逸脱酵素という値が、グーンと跳ねあがっています。
すると、からだの中のアミノ酸プールから、再生因子が大放出。
すぐさまの修復に、とりかかってくれます。
修復の主役は、アミノ酸(タンパク質)。
まったくの自動運転、すばらしいです。
すぐさまの修復開始。
開始してくれますが、断裂前と同じにしてくれるのか。
なりません。
車のバッテリーが、ダメになってしもうた。
そのため、新しいバッテリーに入れかえた。
すると、同じ操作がパッとできる。
人体は、こうにはならない、ということです。
修復される。
でも、2点で、前とはちがってきます。
ひとつが、「ちぢんで」なおる。
もうひとつが「かたまって」なおる。
肉離れした筋肉を、1ヶ月固定しておくと、そのようになります。
のびない(ちぢむ)。
動かない(かたまる)。
これを「拘縮」ともいいます。
ですから、修復を待つと同時に、この2点に気をつけたい。
具体例。
歩く
走って痛んだ筋肉は、走ってなおす。
無理です。
少なくとも、わたしにはできません。
ならば、歩いてみたらどうでしょうか。
走ると歩くのちがいは、筋肉系への負荷にあらわれます。
歩く方が、筋肉への負担が少ない、ふつうは。
ただし、です。
「負担の少ない歩き方」であるならば、です。
厚労省もご推薦の歩き方は、ドーよね、と思っています。
大マタ、力強く、カカト着地。
どれも、修復中の筋ちゃんたちへの負担は強い。
だって、痛くなりますから。
痛い、というのは、修復のジャマをしている可能性があります。
修復するそばから、こわさなくても。
それでは、負担の少ない歩き方って、どういうの?
どういうのが、「痛くない歩き方」でしょうか。
わたしの場合、ゾーリ(ワラーチ)、小マタ。
そうです、キモノ歩きのイメージ。
江戸時代の歩き方。
これだと、レース翌日から、けっこう歩けるんですね。
そうに歩いていると、再生中の筋ちゃんが、ほどよく伸びちぢみ。
かたまるのを、防いでくれます。
痛いのに歩ける歩き方。
これは見方をかえれば、痛くなっても歩ける歩き方、です。
その延長で、痛くても走れる走り方。
これが身につけば、長く走れる(はず)。
そうです、レース後の痛みの残る時期、最適な動作を見つけられるチャンスです。
正座
正座をする機会が、へっています。
わたしは、この姿勢は好きです。
すわって食事、という場面では、正座でないとたべにくい。
アグラをかいて、では落ちつかない。
ところで、正座でいちばん伸びる部分は、どこでしょうか。
モモの前面じゃないでしょうか。
そして、フクラハギも、いがいに伸びる。
けっこう、アシ全体が、伸びる。
つまり、再生中の、ちぢんだアシ筋全体に、いい刺激となってゆきます。
どのくらいの刺激になるでしょうか。
ウルトラ直後から、翌日くらいまで、正座ができなくなります。
イタタタター。
伸びてくれないからです。
トイレに腰かけるのでさえ、ひと苦痛。
そこで、少しずつ体重をかけて、正座にチャレンジ。
だんだんと、正座ができてくる。
やがて、いつものように正座ができてくる。
これをもって、一応の「修復の完了」とみています。
痛めない
イヤハヤですが、案外に忘れやすいこと。
それは「痛みをつくらない走り方」の研究です。
アホなことを、考えるんじゃない。
レースは、全力で、立ち向かうべきもの。
先のことなんか考えない。
力をぬいて、どうするの。
いえ、それは誤解です。
できるだけ、心身への負担をかけない走り方。
これこそが、いちばんの本来の走り方、になりませんか。
すくなくとも、わたしの求めているスタイル。
つまり、効率的な走り方です。
その結果の、長距離走。
いえ、長距離走に限りません。
短距離走だって、同じじゃありませんか。
チーターの走り方なんて、じつに美しい。
流れるよう。
たぶん、筋肉痛こないんでしょうね。
筋力だよりとか、根性走りというのは、どこかで不自然さがあるかも、です。
故障のリスクも高まりますし。
わたしにとって、現在の到達点は、「うす底」「小マタ」です。
って、ワラジで走ると、自然とこうなっちゃうだけですけど。
これで、いつまで走りをたのしめるか。
まだまだ、研究はつづけたい。
北浦湖畔をチンタラ、チンタラ、でも楽しい。
痛みこそ 工夫の師匠 リカバリー
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