茨城100kウルトラマラソン2021、ゴールゆらゆら

60キロのムフフ

 

100キロマラソンの、いちばんヘコむ地点。
どうも、60キロ前後です、わたしの場合。

あと、フル1本じゃないか。
ついフルマラソンのレース光景などが、アタマに浮かびます。
それより2時間おそくても、ダイジョーブ。
ヨユー、楽勝。

ところがです、カラダはまったく賛同しません。
もはや、ヨレヨレですから。
ここらあたりから、ココロとカラダの葛藤が始まります。
しかしながら、すぐに出てくる結論。
限界。

でもいいんですよ、とりあえず走っていよう。
歩かない、止まらない。
すでに、体力とか根性や常識というレベルではありません。

すると湧いてくる不思議な恍惚感
夢の中を走っているのか。
天国の道は、こんな感じなのか。
60キロ近辺でしか味わえない感覚、キタキタ〜。

という気分にひたり始めたら、水をさす感触が足もとをおそう。
何ですか、この多分2キロをこえる砕石道は。
ワラジには、正直、きついです。

カラダには、相変わらず真正面からの「鹿行おろし」の強風。
加えて、ワラジにやさしくない足もと。
ええ、でも歩きません。

 



これをたべると、ご利益あるよ、と強く推された逸品。
おいしうございました。

 



後半戦のワラジには、ちょいときつい道。
ええ、マッサージ効果は期待できません。

 



ソロリ、ソロリと足を運びます。

 

 

オナカがすかない

 

シャリバテ、という表現があります。
文字通り、ハラがへって、動けない状態。

2019年夏の北オホーツク100kマラソン中に味わいました。
前半、お米に出会えませんでした。
もちろん、スタート前には、おにぎり2個をいただいてはいましたが。

最初のおにぎりエイドが、たしか80キロ地点。
タイミング的には、遅すぎました。
いつものヨレヨレランに加わった、フラフララン
制限時間1分半前の、ギリギリゴール。

以降、空腹感の研究に着手。
たどりついた結論は、甘いものを減らすと、空腹感が軽くなる。
今回のレース前は、お米関係ゼロ、昨日もゼロ。

レース中のエイドでは、おにぎりコーナーが充実していました。
ただ、わたしは、1回も手がのびず。
お米関係は、まったくいただきませんでした。

それでも、シャリバテ感が出てくるわけではなし。
後半部でいただいた、ツクネがごちそうとなりました。
カラダの中が、変化している感じがあります。

たべもの研究、いまも自分実験台中。

 



各エイドで、いろんなタイプのおにぎりを用意していただいていましたが。

 



ツクネには、まいりました。あとは、ビールがあったなら。

 

エイドの力

 

レース後半になると、さらに前後にランナーの姿が見えなくなってゆきます。
そんな状況で、約5キロおきのエイドに到着。

すると、おどろきの光景へ。
エイドの方々が、万来の拍手でお出迎えです。
「ナイスラン」
まるで、トップランナーみたいな待遇。
もちろん、トップランナーは、すでにゴールインしている時刻です。

ナイスではないのはわかっていますが、その気持ちがうれしい。
胸にしみてきます。
強風で、汗は出ないのですが、涙が流れてきます。

「コレどうぞ」
「コレもうまいよ」
次々にすすめられる名物
でも、だんだんと、たべられなくなってゆきます。
オナカも疲れてくる。

そこで、オシャベリがはじまります。
エイドによっては、写真大会
「写真をとってもいいですか?」
「ええっ?ボク、有名人じゃないんですけど」
スマホの先は、足もとへ。
ああ、そこを撮りたいんね。

数は少なかったですが、私設エイドにも感激しました。
とくにコーヒーショップを開店していただいたお兄さん。
場所を移動していただき、3度も出会えましたね。
ひきたての香りで、とっても癒されました。

とはいえ、最後のエイドは、通過だけにしよう。
止まると、動けなくなる。

でも、無理です。
あんな拍手と歓声に、立ち止まらないで通過なんて、わたしにはできません。

もう、何もいただけません。
オナカには、入りません。
そこで、立ち話だけで、再出発。

背中を後押しする拍手と声援で、気がつきます。
エイドの1番のごちそうは、「気持ち」なんだね。
これが、走る力を、生み出す。

 



あの長い北浦大橋をわたると、あと15キロとか。

 



湖の中に、どーんと立つ大鳥居。ここでも、手をあわせます。

 

わが相棒

 

ワラジは、○イパーフライより、耐久性におとります。
なかなか、100キロは、もちません。
途中で、ボロボロになってゆく。
ぼくと、同じ。

ですから、途中ではきかえます。
今回は、道中に、自分の荷物置き場がありません。
スタート時から、予備を一足、背おっています。

レース前半は、雨上がりの濡れた路面が、水をよく吸ってくれました。
走りにくいけど、なんとか、走れる。

そして85キロ地点。
右のワラジもほつれ始めました。
でも、まだ形は保っています。
しばり直せば、使えます。

そんな、こんなで、100キロ。
ゴール地点まで、最初のワラジでゆけました。

坂が少なかったのが、幸いした可能性があります。
長い下り坂が、ワラジには、いちばん負荷がかかります。

 



85キロを走って、右のワラジもほつれだしました。

 



それでも、なんとか100キロもったワラジと、あんよ。

 



100キロ走ったワラジ。お世話になりました。

 

日は落ちて

 

明るいうちに、ゴールしたい。
いつも思う、ささやなか思い。

しかし、まだ先がつづくなか、太陽が西の山にしずみ出しました。
美しい夕日、いまはモノ悲しい夕日。

日の出前から、日の入りを過ぎても走りつづける。
うーん、ヘンタイ人のレースです。

 



あと10キロ。にしても、ランナーいない。

 



だんだんと明るさの落ちてゆくコース、ちょっとさみしい。

 



そしてとうとう日の入りの時刻。でも、まだ走る。

 

夜のとばりが、おりようとしています。
コース上、何か所も消防団員が集結してきました。
これから、コースを照らそうと準備してくださっています。

なにしろ、街路灯が1本もない湖の堤防上です。
感動で通りすぎます。

そんな中、ひときわ輝く一角が目にとびこんできました。
あれが、ゴール会場だ。

前にランナーは見えませんでしたが、ゴール場面ではしっかり祝っていただきました。
うれしいゴール
13時間00分28秒。

20キロごとに、ラップを記録していただいています。
20km    2時間11分10秒
40km    2時間13分17秒
60km    2時間49分02秒
80km    2時間50分11秒
100km  2時間56分48秒

見事な、後半、ズルズル落ち。
総歩数 122,011歩。

ゴールライン先では、完走賞として、ご当地版「うまい棒」セットをいただきました。
軽い、でもかさばる。
完走メダルは、後日の郵送だそうです。
そこは、ちょっと残念でした。

 

はっきり断言します。
ランナーより、大会関係者の方が圧倒的多数の大会でした。
熱い対応に、ココロをうたれつづけました。
ありがとうございました。
たいへん、お世話になりました。

 



感動のゴールは、もう腕がふるえて、ピンボケ写真に。

 

たーさん
吹くなら吹け 鹿行おろしにゃ 負けないぞ

 

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