忍者の行動食

すばやきもの

 

はやてのようにあらわれて
はやてのように去ってゆく

あれ、これって、月光仮面のオヂサンでしたっけ。
古いはなしで、すみません。

はやてのようにあらわれて
はやてのように去ってゆく

現代でいえば、マラソン「選手」も、こういえるでしょうか。
選手とよばれるマラソンランナーは、じつにはやい。
ピュッと、目の前をとおり過ぎてゆきます。

わたしも、コレを目指したい。
そうそう、いつまでもスロー再生じゃないんだってば。

はやてのようにあらわれて
はやてのように去ってゆく

時計を江戸の時代にまきもどせば、その代表は「忍者」ということになります。
資料は少ないのですが、飛脚もそうですけど。

忍者が、はやてのように走りさるために欠かせないものとして「食べもの」があります。
カスミを食って走りつづけることは、忍者といえどもできません。

どんなものを食べていれば、長く走りつづけられるでしょうか。
そこを、考えてみます。

 



 

忍者のイメージ

 

忍者ときくと、どんなイメージをお持ちになるでしょうか。

ひとつの一般的なそれは、「黒装束」姿です。

全身を、黒い衣装で身をかためます。
もちろん、顔も黒ズキンでおおいます。
チチンプイプイ。

ただし、これは後世の「マンガ」「映画」が作りだしたひとつのキャラクターにすぎません。
そう、水戸黄門が、ぜんぜん全国を漫遊なんかしなかったように。

なにしろ、忍者の本領は「忍び」です。
敵陣に侵入し、情報をさぐったり、混乱させたりが仕事です。
英語で言うところの「スパイ」ですね。

ですから、忍者の第一義は「目だたぬこと」です。
目的地に入りこんでも、あやしまれない人間像がスタートです。

そこに、黒装束なんかで、いてみてください。
そく「あやしいヤツ」名をなのれ、なんて詮議の的になってしまいます。
平凡が、なにより。
目立っちゃ、いけない。

 



 

いざ、一大事

 

しのぶ先で、重大な情報がもたらされる。
あるいは、しのぶ先まで、重大な決定をしらせねばならぬ。

こういった事態になったら、どうしましょうか。

現代なら、スマホもある。
書類は、ファックスもある。
音声や画像データを、たちどころに届けることが可能です。

ところが、忍者の時代に、そんな便利グッズはありません。
きほんは、みずからの足で届ける、です。

たとえば、目的地が200キロほど先だったとします。
そうしたら、昼夜をとわず、目的地をめざす。
情報伝達は、すべからくで行われました。
おお、マラソンの原型があらわれてきました。

このとき、現代ともっとも違ってくるものは何でしょうか。
それが「行動食」「携帯食」です。

コンビニありません。
24時間営業のファストフード店ありません。
自分で用意し、持ってゆかねばならないのです。

日本では、いわゆる「お水」は、比較的どこでも調達できたようです。

 



 

どんな食べものを用意すべきか

 

食べものは、自分から用意してゆく。

それが「行動食」とか「携帯食」です。
「じゃあ、今回の予算は1000円まで」
そんな遠足のおカシの発想では、通用しません。
そもそも、スーパーありませんし。

自分(たち)で、用意、調達するんです。
そのために、大切な前提が必要となります。

それは「何がいいのか」です。

モノを用意したり作ったりするとき、まず押さえておきたいところです。
なんでもいい、わけじゃありません。

具体的には「求め」に答えるものです。
求めがないのに、自己満足で用意してしまうのを「徒労」といいます。

この世の中、求めがないのに作られるもの、が少なくありません。
それらは、だいたいが、こまったもの。
夏休みの宿題とか。
税金とか。

 



 

長距離ランに求められる食べもの

 

食べられれば、何でもいい。
車で移動で、荷物の制限はない、なんて状況でしたら、どんな発想でもかまいません。
荷物室に放りこんでおけばいいだけですから。

しかし、自分で持って移動するんです。
移動の足は、文字通り、自分のです。
いきおい、「求めるもの」は精選されてゆきます。

いくつかの要件が、考えられます。

(1)軽いこと
(2)腐らないこと
(3)食べやすいこと
(4)栄養があるもの
(5)空腹感をいやせるもの
(6)ノドのかわきをいやせるもの
(7)カラダにいいもの

おそらく、こんな要求に答えられるものが欲しい。

そして、忍者は真剣です。
今回は調子がイマイチだから、参加は遠慮させてもらおうか、は通用しません。

そういう時代背景のなかで、忍者は「行動食」研究、工夫をおこなってゆきました。
ただ、残念なことに、なかなか広く伝わりません。
なにしろ、本来は「家伝」「秘密」の対象だからです。
特許をとったから安心、というわけでもありません。

そんななか、伊賀や甲賀の忍者集団の行動食が、あるていど解明さてきました。
真田忍者集団の行動食も、知られてきました。

むかしの忍者は、どんな「行動食」「携帯食」で、世を乗りきったのでしょうか。
それは、今のわたしたちのレースに、活用できないでしょうか。
(つづく)

 



 

たーさん
長い距離 走りを支える 行動食

 

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