なまものは、くさる
たとえば、お肉を皿の上にのせて、テーブルに出しておきます。
サンマも、同じように、冷蔵庫から出しておきます。
そのまま、出しっぱなしにしておきます。
その経過を、観察してゆきましょう。
どうなってゆくでしょうか。
なつかしい、観察日記のスタート。
なんて、実際にしなくても、おおかたの予想はつきます。
だんだんと、あやしい臭いがただよいはじめます。
色が変色しはじめる。
その過程を「くさる」といいます。
たぶん、どなたがやっても、同じような結果になるのではないでしょうか。
こういうのを、再現性がある、といいます。
例外は、家の中で、ニャンコをかっているうち。
さっと、たべられてしまう可能性があります。
で、問題です。
じゃあ、なぜわたしたちは、くさってゆかないのでしょうか。
ソノママにしておけば、におってはきます。
でも、くさっての臭いじゃなくて、アカのにおいです。
不思議に思いませんか。
いや、しょちゅう、くさっているよ。
それは、ココロの問題です。
ひとは常温保存
そうです。
ひとは、常温で保存がきく存在です。
開封後、冷蔵庫にしまう必要はありません。
というか、室温保存専用で、冷蔵庫に入れちゃいけません。
賞味期限も、ベラボーに長い。
平均80年って、どんだけですか。
ま、さすがに鮮度だけは、さすがに低下をみせますけれど。
では、なぜ、常温でくさらないんでしょうか。
これを実際に、小・中学性に聞けたら、おもしろいかもね。
「血が流れているからです」
「生きているからです」
「たべているから」
「動いているから」
もっともっと、意外な答えに出会えそう。
ひとがくさらない理由
前回の、シューマッハ先生も、最初はビックリしたようです。
たべたものは、生きるエネルギーへと利用される。
ガソリン車のガソリンのイメージではじめた実証実験でしたから。
ところが、現実は、予想だにしなかった展開がまっていました。
まさに、実験屋さんの醍醐味です。
たべたものの大部分は、カラダの成分として、カラダのすみずみへと散らばっていったのですから。
カラダは、つねに、たべたもので、おきかえられている。
これこそが「たべものの流れ」「カラダの流れ」の本質だったのですから。
わたしたちのカラダは、36兆個ほどの細胞でできあがっている、といわれています。
そのうちの1兆個ほどが、1日でおきかわっている。
1年たてば、カラダのあらゆる成分が、新しい成分でおきかわっている。
つまり、カラダは、日々ダイナミックに更新されている。
毎日、新しい。
年をとっても、この更新作業だけは、つづいている。
これが「ひとがくさらない理由」だったんですね。
まるで、決して枯れることのない大河のようです。
ひとの成分
たべることの1番の理由。
わたしたちは、なぜ、たべつづけなくてはならないのか。
その最大の理由は、カラダの更新をつづけるためだったんですね。
更新ができなくなって、命を終える。
もちろん、生きる活動エネルギーとしても、大切です。
たのしみ、という部分も、欠かしてはなりません。
理由はひとつではない、ということです。
でも、その中でも、カラダの更新はたべる中心をしめる柱。
それでは、カラダは何からできているんでしょうか。
カラダの成分、気になりませんか。
たべものと、密接に関係するものですから。
じつは、カラダのなかで、1番を占めているのは、水分でした。
アチャー。
まあ、でも、そういうことです。
カラダの約60%は、水分でできています。
ですから、ひとをスルメ化すると、つまり水分を完全にぬくと、体重は40%になります。
60キロのひとから、水分を完全にぬいてみる。
すると24キロのスルメ人間ができあがる、という塩梅です。
残ったものから、考える
水分をのぞいたところで、考えてみます。
その方が、実際のイメージをもちやすいでしょうから。
おおよその平均値です。
タンパク質 約 50%
脂質 約 40%
糖質 約 1%
ミネラル類等 約 9%
ミネラル類とは、カルシウムとか、鉄とか、亜鉛とか、ビタミン類とかです。
くり返しますが、人体から「水分」を抜いた比率です。
くれぐれも、カンチガイしないでください。
じつにスッキリとした数値になりました。
ここに水でふやかして1,5倍にすると、実際の人間ができあがるということです。
注意点は、水でふやかす、です。
あついお湯をそそいでしまったら、細胞はこわれて失敗します。
カップラーメンじゃ、ないんですから。
たべたものの半分以上は、カラダの成分におきかわってゆく。
この成分が、上記の数値です。
そうです、タンパク質が半分を占めている。
もちろん、水分をのぞいた割合でしめしているわけですけど。
何か、ひらめいたものがありますか。
カラダの更新に必要なたべものは何か。
そんな方向性を導いてくれそうな数値じゃありませんか。
新しい世界が、まっています。
(つづく)
たべたもの まず使われるのは カラダの更新
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