降参です
わけがわからない世界、というのがります。
カロリー計算の世界。
食の基本、栄養の基盤、ランニングの基礎。
ちゃんと学んだことは、ありますか。
「基礎代謝量」というのがありました。
安静時の1日の消費カロリーです。
だいたい、1500キロカロリーくらいだったような。
そうです、だいたいです。
アタマの容量のないワタシに、こまかな記憶は無理です。
基礎代謝量は、ひとによって、微妙にことなります。
性別
年齢
体重
身長
こういったものが、計算に微妙に関わってきます。
そこに1日の活動量をくわえてみます。
活動係数、なんていっているようです。
そうすると、こんどは1日の「消費エネルギー量」が出てくるようです。
基礎代謝量
消費エネルギー量
この2つを、まず考えてみます。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2020/04/647161_m-1024x683.jpg)
計算不要
自分の基礎代謝量は、どのくらいなんだろうか。
実際の1日の消費エネルギー量は、どのくらいだろうか。
理論的には、たべる量と、消費エネルギー量が同じだと、体重の増減はありません。
たべる量のほうが多い日がつづくと、余剰エネルギーは「脂肪」となってカラダに蓄えられてゆく。
つまり、体重がふえる。
逆だと、やせる。
非常にシンプルですね、ここまでは。
ここまでは、ついてこられました。
では、実際に計算してみましょうか。
と思ったら、いろんな自動計算公式が、インターネット上で、たくさん公開されていました。
そこに、いくつかの数値をいれるだけ。
自分の歳とか、身長、体重とか。
で、計算というところを押す。
パッと、出てきます。
あっけなすぎて、拍子抜けでした。
ひとつのサイトで、やってみました。
わたしの場合、
1日基礎代謝量=1,419キロカロリー
1日消費エネルギー量=2,483キロカロリー
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2020/04/3108318_m-1024x683.jpg)
ランニングのカロリーまで出る時代
フルマラソン1本を走るには、どれほどのカロリーが必要でしょうか。
これは、だいたい2,500キロカロリーといわれています。
ま、これが、とっても大雑把なのはおわかりですね。
男女差が入っていない。
2時間半で走るランナーと、6時間かかるランナーのちがいも入っていない。
体重や年齢も、入っていない。
それが、ランニング用腕時計に数値を入れておくと、ゴール後にマラソン消費カロリーが出てくる。
スマホを持って走っても、出てくるようですね。
新しく手に入れたガーミン腕時計で、さっそく計算だ。
そう思っていたら、新型コロナ騒動で、レースは次々と中止に。
はい、ひとりでフルを走りきる根性はありません。
しばらく、おあずけ、ワン。
それにしましても、便利な世の中になったものです。
しかし、です。
それでも納得できないワタシ。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2020/04/1512146_m-1024x683.jpg)
そもそも基礎代謝量って、どう出したの?
ひとのエネルギー源は、たべものと酸素です。
栄養素と酸素が化学反応し、熱量をうみだします。
炭水化物と脂質は、熱量を産生したあとは、二酸化炭素と水になります。
二酸化炭素は、呼吸で出てゆきます。
それぞれ、1グラムが燃焼すると、4キロカロリー、9キロカロリーの熱量を出すと。
タンパク質は、熱量を産生したあとは、窒素と水になります。
窒素は、オシッコになって出てゆきます。
1グラムが燃焼すると、4キロカロリーの熱量が産生されると。
そこで、1日安静にしてもらったあとで、息をおおきな袋に出してもらいます。
袋の名前は、ダグラスバッグとよばれています。
同時に、オシッコも出してもらいます。
袋の中の二酸化炭素と酸素の量をはかります。
オシッコ中の窒素量をはかります。
それを、計算して「間接的」に、消費された炭水化物、脂質、タンパク質量を算出してゆきます。
ダグラスバッグを使うので、ダグラスバッグ法といいます。
ひとつの計算式。
3,941×酸素の消費量+1,106×二酸化炭素産生量−2,17×尿中窒素量
これで、どのくらいの熱量が算出されたのかを調べる。
調べられた時代は、いがいに古いです。
1950年代から、60年代のデータが多い。
学生さんが、おもに被験者でした。
なにしろ、1日安静にしてもらって、のデータ集めですから。
こうにして計算されたものが、今日の基礎代謝の基準になっているようです。
そう、今もその時代の結果を引用。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2020/04/3279974_m-1024x768.jpg)
時代の変化は?
調べられた時代は、けっこう古いです。
古い、ということは、測定誤差や精度は、どうだったんでしょうか。
くわえて、被験者は、若いひとが多い。
年よりが対象になった報告は、ほとんどなし。
調べる検体は、1日動かないで翌朝のごく一瞬の数値です。
10分くらいの呼気の調査。
そこから、1日の熱量を推定してゆく。
この計測を、いましたら、どうなるでしょうか。
まず、人間が変わってきています。
現代人のほうが、動きません。
体力や筋肉量の差もあるかもしれません。
興味はありますが、多くのひとに協力をあおいでの調査は、なかなかむつかしいです。
なにしろ、1日拘束して、ほとんど動かないでいてもらわなくてはならないのですから
だから、昔とそんなに変わらんから、という根拠で、昔のデータを今も使っている。
そうにして出されている「基礎代謝量」。
それを基礎にして出される「消費エネルギー量」。
わたしの性格は、相当にオオザッパです。
そんなオオザッパ心でみても、この数値はどうなんでしょうか。
まあ、いいですよ。
それほど、こだわりはありません。
ただ、ここに大きな事件が起きました。
そうです、事件といいたい。
いま述べてきた理屈で、カロリーって出せるの?
そんな真正面からピストルを向けられたような衝撃的な事実が、目の前に出されたのです。
(つづく)
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2020/04/3239598_m-1024x683.jpg)
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