生きのびるチカラ
生きのびるチカラ、を考えてみます。
生きるチカラ、ではありません。
もうちょっと、タフなチカラ。
最終目標は、ランニングを支えるチカラへ。
今の日本は、平和です。
好きなときに、好きなものが食べられる。
電気、ガス、水道の心配はない。
ところが、ひとたび大災害がおきたら、どうなるでしょうか。
流通はストップ。
スーパーにいっても、品物はない。
食堂は、どこも閉鎖。
ライフラインは、不通。
災害だけじゃなく、近ごろは人災も起こりうるんじゃないの、という戦前、戦中のキナ臭ささえ漂ってきます。
そういう中を、どう生きのびるか。
同時に、この発想は、ランニング中の身体、精神身体状態の支えに共通してこないでしょうか。
生きのびるチカラ。
くじけないチカラ。
つまりは、行動力。
さて、具体的に、どんなチカラをあげたいと思いますか。
ボクは、まず「空腹力」です。
空腹感とは?
空腹感というのは、「オナカがすいたなあ」という感覚です。
空腹感を生む状況は、おおきく2つあります。
ひとつは「血糖値の低下」です。
一定値以上の血液中の血糖値の低下をきたすと、その流れを感知した「脳ミソ」が、オナカがすいたな、という信号を発してきます。
これが、代謝から生じる空腹感です。
ですので、普遍性があります。
血液中の、ブドウ糖の値で生じるものです。
胃袋の中が空っぽか、どうかというのには、関係ありません。
この場合、空腹感を生むのは、脳ミソということになります。
もうひとつは「意識」です。
ああ、オナカがすいたなあ、という気持ちになると、やはり空腹感が生じます。
意識ですから、血糖値とは無関係です。
こちらは意識ですので、個人差がおおきくでます。
四六時中、空腹感を感じているような方がいます。
好物をみると、空腹感を感じることも多い。
治療に取りくんでおられない糖尿病患者さんの血糖値は高いですが、空腹感はちゃんとあります(むしろ、強い)。
胃袋に、空腹感のセンサーは、ありません。
空腹感のメッセージ
動物一般に共通する空腹感のみなもとは、血糖値の変化です。
血糖値が、ある一定のラインを下回ってくると、空腹感のランプがともる、というイメージです。
そして空腹感の発生は、つぎに食べものを求める行動をよびさますスイッチになります。
オナカがすいたな、食べものを手にいれよう。
ここです。
空腹感というのは、単なる感覚じゃないんです。
行動を生む根源、ともいえるのです。
野生動物は、ここから、実際に食べものを手に入れるまでの行程は、たやすくありません。
肉食動物は、相手も必死に逃げまどいます。
ライオンを例にとると、10数回の攻撃で、ようやく獲物を手に入れられるという統計も出されています。
その日のうちに、食べものを手にいれられるわけではありません。
場合によっては、空腹感がでてから数日食べられない、こともあります。
草食動物だって、食べごろの草がいつも目の前にはえているわけではありません。
ときには、何キロも何日も探さなくてはならない、こともあります。
スーパーに行きさえすれば、何でもあります、なんてことは野生世界ではありえないことです。
しかし、人間界はちがうよ。
いえ、ちがっていませんでした、ほんの数十年前までは。
農耕手段を手にいれて、安定した作物をえても、口に入れるまでは、けっこうな手間ヒマが必要でした。
水くみ、火おこし、手のこんだ調理過程。
インスタントものや、冷凍ものなんて、ありませんでしたしね。
空腹の意外な感覚
なにか特殊な事情で、食事をとれなかった、なんてことはありませんか。
忙しくて、お昼をとる時間もないまま、夕方になっていた、とか。
気がついたら、オナカはペコペコ。
さて、1食ぬかしたくらいだから、夕食はモリモリ食べるそ。
そうなったとき、ドカンと食べられますか。
1食ぬかしたくらいだから、2食分を一気に食べられますか。
いがいと、ふつうの食事で満足。
逆に、いつもより少なめでも充分になってしまう。
あれあれ、食欲がちょっと抑えられていませんか。
これぞ空腹力
血糖値がさがって感じる「空腹感」は、あくまで「血糖値」の生む問題です。
血液中の、ブドウ糖の濃度、というだけです。
カラダのもつエネルギー量とは、まったく関係ありません。
そしてカラダには、ブドウ糖の貯蔵があります。
血液中のブドウ糖だけが、ブドウ糖じゃありません。
おもな貯蔵庫として、肝臓や筋肉内があてがわれています。
貯蔵庫がカラになっても、脂肪からも作れますが、非常時用なので、ここでは触れません。
「空腹感」ランプがともり、「食探し行動」スイッチがはいり、実際に身体の活動がはじまると、この貯蔵庫からブドウ糖が出てくるわけです。
ここで大事なのは、動かないと貯蔵庫の扉はなかなか開かない、ということでしょうね。
すると、どうなるでしょうか。
そうです、食べていなくても、行動とともに、血糖値が再びあがってくる、です。
ですから、この状態に入ってしまうと、食欲が抑制されてくるんです。
さきほどの、1食ぬいたあとでも、食欲がわかないことがある理由です。
空腹感は、「エネルギー切れ」のサインではありません。
人間のエネルギーは、そう簡単にはきれません。
切れたら、死んでしまうのですから。
逆にカラダ(オナカ)が軽くなって、身体活動に絶好の条件となるだけです。
そして、行動が始まる。
だから、野生動物は、オナカがすいたら動きだすんです。
そして、この状況で動きだすと、いよいよ脂質系のエンジンに火がともります。
このエンジンは、チョー強力です。
わたしたちにも、宿っています。
忘れていませんでしたか?
これって、走りに利用できませんか。
空腹は 神のつくりし 行動サイン
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