二番煎じ
ランニングモデル1号の紹介(前回)。
このモデルさんの動きの着目点は、手足の「振り子」運動です。
振り子の中心は、肩球とシリ球。
これは、人間の歩いたり走ったりするさいの運動中心を、4つの球関節に着目した結果です。
アシのつけねの関節を、シリ球(しりだま)。
ウデのつけねの関節を、肩球(かただま)。
この4つの関節部に着目しましょう、という流れです。
ところがです。
ランニングモデル1号で、すべての歩きや走りの解析はできません。
そう人間は、単純ではありませんでした。
ということで、「1号」がでたら、次に「2号」というのは、世の流れです。
といえ、だいたいキャラ的には、2号は1号に勝てません。
発想の限界なんでしょうか。
ですから、しばしば言われるカゲ口は「二番煎じ」。
あるいは、「柳の下のドジョウ」とも。
でも、ちょっと待ってください。
飛脚の登場
飛脚さんを、忘れていませんでしたか?
そう、ここは「飛脚走り」ブログです(苦笑)。
そこで、重大な事実が判明してきたのです。
じつは、モデル1号では、飛脚の走りを再現できないのです。
ホントですか?
それだけではありません。
江戸の町民の歩き方も、モデル1号では無理になる。
見てきたような言い方ですが。
はい、わたくしも見てきたわけではありません。
そんな方、どこにもいません。
ところが、です。
ワラジ(ワラーチ、地下タビ)をはいて、くらしてみる。
あるいは、ハダシでもいいでしょう。
そして、走ってみる。
たまに、やってみるではありません。
自分が「これはいいな」と感じるまでです。
このとき、なぜ「いいな」と感じられるのかを考えてみてください。
わたしは、長年、この「なぜ」の理由を、どう表現してイイかわかりませんでした。
昨年、100キロマラソン4回、フルマラソン3回を、すべてワラジで走ってみても、でした。
ところが、今年になって、アアそういうことだったのかもしれない、とヒラめいたのです。
ついに到達したモデル人形。どーだ。
球がまわる
モデル1号の前進動作は、アシとウデの振り子動作でした。
アシも、ウデも、前後に「振り子」運動がおこる。
自分の歩き方や走り方を、「球」部に意識して、体感してみてください。
まちの中を歩く方を、観察してみてください。
走るランナーの動きを、見てみてください。
手足が、振り子。
ところが、ワラジ系がなじむと、振り子動作が、不自然になってくるのです。
足ウラが痛くなるし。
とくにカカトの衝撃がこたえるし。
大マタもしにくくなります。
それでは、どんな動きになってくるでしょうか。
むつかしいことでは、ありません。
だって、ヨチヨチ歩きだったころも、振り子ではなかった。
そんな昔を出されても、もう昔にはもどれない。
だったら、ハイハイしてみましょう。
やはり、振り子ではなくなってくる。
どうになってゆくでしょうか。
そうです「球」が、まわりはじめる。
パッと見は、1号と同じか?
でも、ちがいに気がつけましたか?
ワイパーのような、横回転
ワラジ系で、歩いてみます。
できるだけ、長く。
すると、真っ先に気がつくのは、歩幅の変化でしょうか。
歩幅が、短くなる。
そして、それだけではありません。
アシの動きそのものが、変化してきています。
アシを、前後に振るのが、不自然になってくるのです。
でも、アシは前後に出せないと、前にすすめないでしょ?
ところが、ちがうんですね。
シリ球が、「外側」にまわると、上体が前にすすんじゃうんです。
外側にまわることを「外旋(がいせん)」ともいいます。
同時に、外側にまわったアシが、胴体からぶら下がったように前に出る。
モモ上げをしないのに、前に出る。
すると、反対側のシリ球は、「内側」にまわりはじめます。
これを「内旋(ないせん)」ともいいます。
前に出たアシが着地すると、今度は、「シリ球」に逆の回転がおこる。
つまり、左右のシリ球は、交互に「外側まわり」「内側まわり」をくりかえす。
この動作が、カラダを前方に運んでゆく。
アシは持ち上げる、より、胴体にぶら下がる感覚。
この動作は、シリ球が、自動車のワイパーのような感覚です。
こんな変化を、ワラジ系は、カラダにもたらします。
この切り替えができないと、ワラジ系の走りは、カラダを傷める原因にもなります。
(わたくしの個人的考え)。
4つの「球」の動きが、1号と異なります。
肩球は、シリ球につきあう
右のシリ球が外側にまわるとき、右の肩球はどうなるでしょうか。
モデル1号だったら、逆の動きになりました。
ところが、です。
モデル2号になると、同じ方向にまわります。
それが自然な、カラダ使いになります。
右のシリ球が外側まわりをするとき、右の肩球も、いっしょに外側まわりになる。
右のシリ球が内側まわりになると、右の肩球も、いっしょに内側まわりに切り替わる。
反対側も、同じ。
つまり、右のシリ球と肩球は、1本の軸になるのです。
同様に、左のシリ球と肩球は、1本の軸で結ばれる。
ということで、モデル2号は、左右のシリ球と肩球をむすぶ2本の軸で、胴体が完成したのです。
気がついていましたか。
2号の胴体は、1号のような背骨1本モデルじゃないんです。
モデル2号には、背骨がない。
こんなの、ありえない。
と、切り捨てていいでしょうか。
感覚的には、どうしても、こうしたいのです。
解剖学的には、アリえへん。
でも、東洋医学のツボや経絡も、解剖学的にはアリえへんものでしょう?
この感覚を、ぜひとも体感していただきたいのです。
ここから、江戸庶民の身体感覚、飛脚走りへ入ってゆける。
そう思うようになってきました。
(つづく)。
背骨がなくなり、2本の軸になっている点にもご注目を。
モデル2号 横回転で すすむなり
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