遠くへゆきたい

知らない街へ

 

知らない街へ、のんびりゆきたい。
はい、これは現代人の旅愁。
ムカシムカシのヒトは、そんな余裕はありませんでした、多分。

エモノを求めて、新しい土地へ。
生きるためには、知らない土地も開拓しなければならなかったでしょう。

近くに、コンビニもスーパーもない時代です。
家の中に、冷蔵庫もない時代です。
畑作もなく、定時の収穫もない時代。
食べるものがなくなれば、さがしにゆくだけが生きるスベです。

さて、どこまで行けば、食べものが見つかるだろうか。

 



 

 

遠出のためのプロジェクト

 

どうしたら、もっと遠くまでゆくことができるか。

それは、ハイハイに決別することである。
4本足から、2本足に切りかえること。
人類がみつけた、人類だけの大発見です。

最初の発見者は、だれだったんでしょうか。
お名前は、存じあげておりません。
約440万年前の、ラミダス猿人さん、らしいことはわかっています。

あっと驚く、大発見。
ぜひノーベル賞をおくって、たたえたい。
でもノーベル賞って、生きている方しか、もらえないんですってね。

ところで、本当に4本足から2本足になると、移動距離をのばすことができるんですか?

いろんな検証があるようです。
ひとつは、ランニングマシンを利用した比較研究。

犬などの4本足動物を、ランニングマシン上で歩かせる。
ダチョウなどの2本足動物を、ランニングマシン上で歩かせる。
すると、酸素効率などをふくめたエネルギー効率は、みごとに「2本足」動物にあがるんだそうです。

わたしたちも、遠くにゆくなら、ハイハイより2本足のほうが、効率いいですもんね。

 



 

 

なぜ効率の差がでるのか?

 

4本足と2本足歩行で、おおきくことなるモノに、アタマの位置があります。

4本足動物のアタマは、胴体の前方に、とび出しています。
そのアタマを支えるために、強固なクビにくわえ、背中から強く支える力が必要です。
太くて、強いクビがなくてはなりません。

2本足になると、アタマは、単純にいえば、のせておくだけで大丈夫です。
ガッツリ支える力は、いりません。

このちがいが、移動効率にけっこう関わってくるようです。
そして、解剖学的な差異を生じます。

アタマの中にあるのは、脳ミソです。
脳ミソは、背骨の中をくだって、オシリにいたるまで脊髄神経をのばしています。
ですから、ジャレコーベの底辺は、脊髄神経をとおす大きな穴があいています。

4本足動物のシャレコーベの穴は、アタマのうしろにあいています。
後頭部。
胴体にガッツリ結合させるには、ここが都合がいい。

2本足になったら、しかし、後頭部だとうまく載りません。
シャレコーベの真ん中下から胴体に載せたほうがバランスがよくなります。
ラミダス猿人から、そのような構造になってきたんです、人類は。

この方、われわれホモ・サピエンスの祖先にあたります。
ひいおばあちゃん、おじいちゃん。
というか、もう少し古い家系。

 



 

 

効率を求めた結果

 

人類は、移動の効率を求めるようになりました。
2本足で移動することで、移動の効率があがる。
その結果、より遠くにゆくことが可能になる。

確かめたかったら、次のマラソン大会、ハイハイで参加してみたら納得できるかも。
たぶん、ゴールは遠い。

それでは、なぜ他の4本足動物クンたちは、そうしなかったのでしょうか。
なぜ4本足に甘んじているのか。

何かを求めれば、何かを失う
世の中の、あらゆることに通じる、ひとつの真理です。

芸能界は、この原理原則にのっとって、ネタがとぎれませんね。
物理学の世界では、エネルギー保存の法則、というトンデモな定理がひかえています。

ひとは、2本足になることで、移動の「効率」を手にいれた。

その裏に、失ったものはないだろうか。

そのひとつに「安定性」はないだろうか。
というのが、不肖わたくしの考えです。

コケて骨折、という事故があとをたちません。
ハイハイしていると、その点、安定しますね。
めったにコケない。

4本足動物は、めったにコケません(競馬馬をのぞく)。
老いては、コケる前に、立てなくなります。

4本足生活は、カラダ全身をつかうので、腰やヒザの一点に負担がかかりにくい。
腰にシップをはるワンコは、まだ見たことがありません。
ヒザにお灸をしているニャンコに、出会ったことはありません。
4本足は、安定性があるんですね。

 



 

 

こまったこと

 

現在、2本足歩行も、ひとつの曲がり角にきている気がします。

曲がり角。
その先に、2つの道があります。

ひとつは、歩かなくなったヒトのたどる道。
せっかく2本足でたくさん歩けるハズなのに、歩かない。
歩かなくても、くらせる時代になっちゃっていますから。

そうなると、伝家の宝刀も、サビてゆくだけです。

歩かなくなって、でてくるもの。
そこに残るのは「安定性」を失ったカラダですね。
安定性がないものだから、カラダのいたるところに不調が出現。
あそこが痛い、ここが動かない。

もうひとつは、効率が良いことで、歩きすぎたり、走りすぎたりする弊害。
何事も、過ぎたるは及ばざるがごとし。
やりすぎも、危険がともなうんですね。
ハイハイに決別した「安定性」を気にかけた歩きや走りになっているか。

ともあれ、ヒトは4本足の安定性を犠牲にして、2本足の効率性を選びました。
祖先の、その思いをちゃんと、くんでおきたい。
それが長く歩きや走りを楽しめるヒケツのひとつと、思います。

 



 

たーさん
安定性 よりも選んだ 2本足

 

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