幸せとかいて
マラソンレースの「幸せ」といったら、何をあげますか?
幸せを数えたら、片手にさえ余る。
そんな、ばんばひろふみさん「SACHIKO」しないでくださいね。
タイムをめざす努力のランナーさんには思いもつかない、というより、鼻にもひっかけけてもらえない世界ですが、「仮装ランナー」というのも密かな幸せをもたらします。
そう、コスプレ。
レースという、非日常の世界。
そこに「仮装」という、さらに一歩先をゆく非日常の狂乱。
これを、ファンタジーとよばずして、どこにロマンを求められるというのか(異論続出の予感あり)。
だって、歴史もふり返ってみましょう。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2019/02/ff7a3151cdfa9f8035d412cf5b095079_m-1024x768.jpg)
この歴史に着目せよ
わが国の歴史のなかで、特筆すべきものとして、「コスプレ文化」を忘れてはなりません。
月光仮面しかり。
怪傑ハリマオしかり。
鞍馬天狗しかり(しかし、みな古いな)。
さらに、能の舞台しかり(見事な能面)。
歌舞伎だって、しかり。
これらは、ときの天皇だって、ごらんになっています。
いうなれば、宮内庁御用達(意味がちがっているかも)。
地域に目をむければ、伝統芸能もコスプレの宝庫。
なまはげ、しかり。
獅子舞、しかり。
そして、コミケ会場のコスプレレベルの高さは驚愕しかありません(飛躍しすぎか)。
いやはや、どんだけコスプレ好きな民族なんでしょうか。
もはや、国民性です、文化です。
伝統は、大切にしなくちゃ、いけません。
というわけで、ランニング界でも伝統を引きつごう。
文化庁のあと押し(ウソです)。
それでは、どんな風なのがあるの?
今回は、大都市レースとして、東京マラソンを舞台に考えます。
不詳、このわたくし、過去に3回の当選前科をもっています。
それを振り返ってみます(写真は、おもに「オールスポーツ」提供)。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2019/02/20140223-091350_23409117-1-1_576-1927954_ALLDATAx1-1024x682.jpg)
ウォーリーを探せ、なんちゃって
二宮金次郎(2009年)
おそらく、出会ったことはない、というくらいのチョー有名人です。
もちろん、わたしの出た小学校にも、おります。
キラリ、これでゆこう。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2019/02/20325877-1-1_157-576182_ALLDATAx1-e1550586779928-682x1024.jpg)
マキの調達。
手にもつ本は、古文書っぽいのがいいかな。
実際、何を読んでいたのかは知りません。
今でいう、歩きスマホ。
車のない時代の田舎道ゆえ、ゆるされた行為でしょうか。
そんな、かたいこと考えません。
バカになりきる。
でもフルマラソン1本を走れば、1冊の本が読みきれる。
読めません。
この仮装で一番苦労したこと。
グンマーの田舎から、新宿都庁前のスタート地点まで、どうやって荷を運ぶか、ということでした。
マキを背負って、電車でまいりました。
走っていて、1万人くらいの方に(主催者発表)、「金次郎」「金ちゃん」と声をいただきました。
沿道の声は、じつによく耳に入ってきます。
そして、この「固有名詞」でよばれる、というのが仮装のゾクゾク感、依存症を生む母地となってゆきます。
ああ、いま注目してもらっている。
う、うれしい。
いま、わたくしに、声援を送っていただいている。
こんな体験、日常生活にありますか、おこられてばかりでしょ(わたしだけか)。
そういう中にあって、数十人の方から「カチカチ山」と、声をかけられました。
思いっきり、はずしている。
それとも、悪ダヌキに見えたのかもしれない。
こういう反応もあるのか。
よおし、次はケムリを出しながら走れないか。
連想やアイディアは、つきません。
5時間00分(ネットタイム)。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2019/02/20325877-1-1_491-319908_ALLDATAx1-e1550586981399-683x1024.jpg)
後半、風が出てきて、本がめくれてしまって
桃太郎(2010年)
1人2役というのがあります。
いやいや、東京マラソン。
2役じゃ、足りない。
1人4役でゆこう。
キビダンゴで手に入れた犬、猿、キジを連れてのフルマラソンだ。
チャンチャンコは、白衣を切って、つくりました。
仕事とランのどちらに比重をおくか、がわかってしまいます。
両肩に、犬と猿、アタマにキジと、「日本一」ののぼり。
われながらの、ほれぼれするグッドアイデア。
そう、自己満足、というのが快感の根源です。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2019/02/20742989-1-1_175-1138030_ALLDATAx1-e1550587167746-683x1024.jpg)
当日は、走りだすまで、けっこうなつめたい雨模様でした。
そのため、犬も猿も、だんだんと水を吸ってくる。
おまえら、これ以上、体重オーバーしてこないでくれよ。
家来には、やさしく、そしてきびしい。
そういえば、この時代まで、フツーのクツで走っていました。
今は、地下タビかワラジなどになってしまって、貴重な写真。
こういうシューズでは、久しく走らなくなっています。
というか、靴箱から、ランニングシューズが消えています。
時の流れを感じます。
ここでは多くの方から「モモタロー」と大声でさけんでいただきました。
「岡山ケーン」という声も少なくありませんでした。
そうか、東京では、ご当地モノはこういう反応もあるのか。
県民会の方なんでしょうね。
よおし、つぎは岡山マラソンへ突撃か。
一生、ベンキョー。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2019/02/211c86e4d71c6e7c736f13fa6d123c4f-1024x730.jpg)
コスプレで走って、声援をいただいてゆくと、ゴールが来てほしくなくなります。
35キロ、えっ、あと7キロしか走れないの。
40キロ、いやだ、もっともっと走っていたい。
こういう感覚は、コスプレ以外ではありえません。
努力や筋トレでは、決してわいてこない感情。
こういう、長距離走への対応法もある、世の中はひろい。
なお、3回すべての東京マラソンで、給水所ではマイカップを使用し、紙コップはひとつも使いませんでした。
給水所で水を注いでいただきながら、会話も楽しむ。
5時間18分(ネットタイム)。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2019/02/baf8ca3bb088c7e0d1ad010f1b044a3d-729x1024.jpg)
この年まで、クツをはいて走っていたようです。
グリコ(2014年)
グリコやるなら、大阪マラソンでしょ。
はい、すでにやってます(笑)。
背中にかがやく大きな日の丸。
このまま東京オリンピックの聖火ランナーに出てもおかしくないコスチューム(オマエの勘違いだけだよ)。
問題は、2月の寒い日のレースということです(当時は2月の第4日曜日開催)。
本物のグリコランナーのコスプレでは、こごえてしまいます。
しかも、東京マラソンは、スタート前、コース上で1時間ほど立ちんぼで待たされます。
防寒対策がキモ。
というわけで、白のランパン、ランシャツの下には、目立たぬようにラクダのシャツ、モモヒキスタイルです。
ミエミエですけどね。
そして足元は、金栗四三さんと同じ、地下タビ(笑)。
ぜったいに、アヤシイ。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2019/02/f28c799d9dc4c0123f50b7080aa68806-727x1024.jpg)
そのまんま、冬の隠居中のジーさんです。
地元の本店タカハシで、いいラクダの下着が安価でならんでいます。
そして、気づきました。
これは、冬のランにつかえる。
なんて、あったかいんだ(老いて、冷え性気味)。
レースでは、思わぬ苦労もありました。
ほとんで、バンザイポーズで、走るんです。
若いひとの表現をまねると、\( ˆoˆ )/
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2019/02/da08e6e69100f8867305c68b7ccff4f3-1024x726.jpg)
コスプレすると、走っているとき、笑いが自然に出ちゃいます。
こういうランニングスタイルは、ふだん、やっていません。
疲れて、手を下げちゃうと「ポーズ」とどなるオトッツァンの声が飛びこんできます。
そうか、ときにはバンザイして走る練習も必要なんだな(必要ありません)。
一生修行。
しかし冷静に考えてみれば、グリコのオニーサンも、「バンザイポーズ」はゴールの後だけだったのかもしれない。
考えなくても、アタリマエのことです。
それをやるのが、仮装の醍醐味。
実際のゴールは、5時間03分(ネットタイム)。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2019/02/7c87177dcc959ad0e05c448ce9fd7071-726x1024.jpg)
走るのって、なんて楽しい。
そして、サヨナラ東京マラソン
何年前からでしょうか。
マラソンレースにも、「テロ」という話題が入るようになりました。
とくに敏感に反応したのが、東京マラソンです。
安全のためには、やむおえない流れなんでしょうか。
そのため、お遊び、コスプレ系への制規が強まってきました。
わたしは、抽選式の都市型マラソンは、当たったらもうけもの、出られるなら思いきり楽しみたい、そして楽しみを共有しあいたい派です。
というわけで、規制のきびしくなった大会へは、遠慮させてもらうのがお互いのためと感じるようになりました。
そのため、以後、東京マラソンへの抽選申し込みはおこなっていません。
また、規制がユルくなる日がもどったら、うれしいな。
世界平和へ、カンパイ。
でも、たくさんの楽しい思い出をつくっていただきました。
ありがとう東京マラソン。
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2018/11/76f3e759415ad1690bfae003ac05144c-e1542443258483.jpg)
幸せは 歩いてこない だから歩いてゆくんだよ
![](https://hikyaku-bashiri.com/wp-content/uploads/2019/02/20325877-1-1_328-9926_ALLDATAx1-1024x683.jpg)
街が、ランナーで埋め尽くされてゆく感動を、ぜひ。
↓ よろしければ、清き1票をお願いします(1日ワンクリック有効)
![にほんブログ村 その他スポーツブログ マラソンへ](https://b.blogmura.com/sports/marathon/88_31.gif)
にほんブログ村