仮装ランナーという快感(東京マラソン編)

幸せとかいて

 

マラソンレースの「幸せ」といったら、何をあげますか?

幸せを数えたら、片手にさえ余る。
そんな、ばんばひろふみさん「SACHIKO」しないでくださいね。

タイムをめざす努力のランナーさんには思いもつかない、というより、鼻にもひっかけけてもらえない世界ですが、「仮装ランナー」というのも密かな幸せをもたらします。
そう、コスプレ

レースという、非日常の世界。
そこに「仮装」という、さらに一歩先をゆく非日常の狂乱。

これを、ファンタジーとよばずして、どこにロマンを求められるというのか(異論続出の予感あり)。
だって、歴史もふり返ってみましょう。

 


 

この歴史に着目せよ

 

わが国の歴史のなかで、特筆すべきものとして、「コスプレ文化」を忘れてはなりません。

月光仮面しかり。
怪傑ハリマオしかり。
鞍馬天狗しかり(しかし、みな古いな)。

さらに、能の舞台しかり(見事な能面)。
歌舞伎だって、しかり。
これらは、ときの天皇だって、ごらんになっています。
いうなれば、宮内庁御用達(意味がちがっているかも)。

地域に目をむければ、伝統芸能もコスプレの宝庫。
なまはげ、しかり。
獅子舞、しかり。
そして、コミケ会場のコスプレレベルの高さは驚愕しかありません(飛躍しすぎか)。

いやはや、どんだけコスプレ好きな民族なんでしょうか。
もはや、国民性です、文化です。
伝統は、大切にしなくちゃ、いけません。

というわけで、ランニング界でも伝統を引きつごう。
文化庁のあと押し(ウソです)。

それでは、どんな風なのがあるの?
今回は、大都市レースとして、東京マラソンを舞台に考えます。
不詳、このわたくし、過去に3回の当選前科をもっています。
それを振り返ってみます(写真は、おもに「オールスポーツ」提供)。

 


ウォーリーを探せ、なんちゃって

 

 

二宮金次郎(2009年)

 

おそらく、出会ったことはない、というくらいのチョー有名人です。
もちろん、わたしの出た小学校にも、おります。
キラリ、これでゆこう。

 


 

マキの調達。
手にもつ本は、古文書っぽいのがいいかな。
実際、何を読んでいたのかは知りません。
今でいう、歩きスマホ。

車のない時代の田舎道ゆえ、ゆるされた行為でしょうか。
そんな、かたいこと考えません。
バカになりきる。

でもフルマラソン1本を走れば、1冊の本が読みきれる。
読めません。

この仮装で一番苦労したこと。
グンマーの田舎から、新宿都庁前のスタート地点まで、どうやって荷を運ぶか、ということでした。

マキを背負って、電車でまいりました。

走っていて、1万人くらいの方に(主催者発表)、「金次郎」「金ちゃ」と声をいただきました。
沿道の声は、じつによく耳に入ってきます。
そして、この「固有名詞」でよばれる、というのが仮装のゾクゾク感、依存症を生む母地となってゆきます。
ああ、いま注目してもらっている。

う、うれしい。
いま、わたくしに、声援を送っていただいている。
こんな体験、日常生活にありますか、おこられてばかりでしょ(わたしだけか)。

そういう中にあって、数十人の方から「カチカチ山」と、声をかけられました。
思いっきり、はずしている。

それとも、悪ダヌキに見えたのかもしれない。
こういう反応もあるのか。
よおし、次はケムリを出しながら走れないか。

連想やアイディアは、つきません。
5時間00分(ネットタイム)。


後半、風が出てきて、本がめくれてしまって

 

桃太郎(2010年)

 

1人2役というのがあります。
いやいや、東京マラソン。
2役じゃ、足りない。
1人4役でゆこう。

キビダンゴで手に入れた犬、猿、キジを連れてのフルマラソンだ。
チャンチャンコは、白衣を切って、つくりました。
仕事とランのどちらに比重をおくか、がわかってしまいます。

両肩に、犬と猿、アタマにキジと、「日本一」ののぼり。
われながらの、ほれぼれするグッドアイデア。
そう、自己満足、というのが快感の根源です。

 


 

当日は、走りだすまで、けっこうなつめたい雨模様でした。
そのため、犬も猿も、だんだんと水を吸ってくる。
おまえら、これ以上、体重オーバーしてこないでくれよ。
家来には、やさしく、そしてきびしい。

そういえば、この時代まで、フツーのクツで走っていました。
今は、地下タビかワラジなどになってしまって、貴重な写真。
こういうシューズでは、久しく走らなくなっています。
というか、靴箱から、ランニングシューズが消えています。
時の流れを感じます。

ここでは多くの方から「モモタロー」と大声でさけんでいただきました。
岡山ケーン」という声も少なくありませんでした。
そうか、東京では、ご当地モノはこういう反応もあるのか。
県民会の方なんでしょうね。
よおし、つぎは岡山マラソンへ突撃か。
一生、ベンキョー。

 


 

コスプレで走って、声援をいただいてゆくと、ゴールが来てほしくなくなります。
35キロ、えっ、あと7キロしか走れないの。
40キロ、いやだ、もっともっと走っていたい。
こういう感覚は、コスプレ以外ではありえません
努力や筋トレでは、決してわいてこない感情。
こういう、長距離走への対応法もある、世の中はひろい。

なお、3回すべての東京マラソンで、給水所ではマイカップを使用し、紙コップはひとつも使いませんでした。
給水所で水を注いでいただきながら、会話も楽しむ。
5時間18分(ネットタイム)。

 


この年まで、クツをはいて走っていたようです。

 

グリコ(2014年)

 

グリコやるなら、大阪マラソンでしょ。
はい、すでにやってます(笑)。

背中にかがやく大きな日の丸。
このまま東京オリンピックの聖火ランナーに出てもおかしくないコスチューム(オマエの勘違いだけだよ)。
問題は、2月の寒い日のレースということです(当時は2月の第4日曜日開催)。

本物のグリコランナーのコスプレでは、こごえてしまいます。
しかも、東京マラソンは、スタート前、コース上で1時間ほど立ちんぼで待たされます。
防寒対策がキモ。

というわけで、白のランパン、ランシャツの下には、目立たぬようにラクのシャツ、モモヒキスタイルです。
ミエミエですけどね。
そして足元は、金栗四三さんと同じ、地下タビ(笑)。
ぜったいに、アヤシイ。

 


 

そのまんま、冬の隠居中のジーさんです。
地元の本店タカハシで、いいラクダの下着が安価でならんでいます。
そして、気づきました。
これは、冬のランにつかえる。
なんて、あったかいんだ(老いて、冷え性気味)。

レースでは、思わぬ苦労もありました。
ほとんで、バンザイポーズで、走るんです。
若いひとの表現をまねると、\( ˆoˆ )/

 


コスプレすると、走っているとき、笑いが自然に出ちゃいます。

 

こういうランニングスタイルは、ふだん、やっていません。
疲れて、手を下げちゃうと「ポーズ」とどなるオトッツァンの声が飛びこんできます。
そうか、ときにはバンザイして走る練習も必要なんだな(必要ありません)。
一生修行。

しかし冷静に考えてみれば、グリコのオニーサンも、「バンザイポーズ」はゴールの後だけだったのかもしれない。
考えなくても、アタリマエのことです。
それをやるのが、仮装の醍醐味。
実際のゴールは、5時間03分(ネットタイム)。

 


走るのって、なんて楽しい。

 

 

そして、サヨナラ東京マラソン

 

何年前からでしょうか。
マラソンレースにも、「テロ」という話題が入るようになりました。

とくに敏感に反応したのが、東京マラソンです。
安全のためには、やむおえない流れなんでしょうか。

そのため、お遊び、コスプレ系への制規が強まってきました。

わたしは、抽選式の都市型マラソンは、当たったらもうけもの、出られるなら思いきり楽しみたい、そして楽しみを共有しあいたい派です。

というわけで、規制のきびしくなった大会へは、遠慮させてもらうのがお互いのためと感じるようになりました。
そのため、以後、東京マラソンへの抽選申し込みはおこなっていません。
また、規制がユルくなる日がもどったら、うれしいな。
世界平和へ、カンパイ。

でも、たくさんの楽しい思い出をつくっていただきました。
ありがとう東京マラソン

 

たーさん
幸せは 歩いてこない だから歩いてゆくんだよ

 


街が、ランナーで埋め尽くされてゆく感動を、ぜひ。

 

 

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