土の大地を走りつづける
アスファルトの道になれた走りで、フカフカの土の大地に足をふみ入れてゆきます。
すると、どんな感じになるでしょうか。
最初に感じるのは、走りにくさです。
違和感ということ。
違和です、おかしな感じ。
マイナスなイメージ。
どうしても、高感度アップというわけにはゆきません。
くわえて、スピードが落ちます。
もともと速いわけじゃありませんが、さらに落ちます。
そして、ぎこちなさ。
スイスイと走れる感じがもてません。
意識して、どっこいしょと足を出してゆかないと、底なし沼に引きずりこまれてしまうような錯覚まで出現するありさま。
カラダの力を、うまく大地に伝えられないもどかしさ。
いえることは、アスファルト路の走り方じゃ走れない、ということです。
アスファルト路のような走りでは、つづかない。
燃費が、ガクッと落ちてくる。
疲れる。
集約して「とまどい」におそわれてます。
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ノカンゾウも、一斉に芽ぶきだしました。
それでも土の大地を走りつづける
カラダは、不思議です。
土の大地を走る「とまどい」感が、やがて縮小しはじめます。
自然に、土の走りに順応してくるようになります。
1キロから2キロも走りつづけると、そう傾いてゆきます。
どんな変化になってゆくのだろう。
そう自分のカラダに問いかけながら走りつづけてみます。
真っ先に感じるのは「力が出せない」走り感です。
もともと力がないので、余計に強くかんじるのかもしれませんが、走りに力をこめられない。
大地をけれない。
モモが上がらない。
力強い着地も無理。
なにしろ、足は地面についたまま前進している感覚になってゆきます。
強くける、けらない、という次元ではなく、そもそもがけれない。
くわえて、着地の足がどうの、ではなく、前にきた足は「着くだけ」になる。
つまりは、宙に浮かぶ感が、なくなってゆきます。
これって、走っているの?
うーん、わかりません。
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ヨモギもスクスク顔を出してきました。
力は出すから、流れるへ
軟らかな大地に、足は踏ん張りをあきらめてゆきます。
ふんばれないから、足に力が入った感じもなくなってゆきます。
力が入らないから、歩幅も延びません。
それでも、カラダは前に進んでゆく。
足が出ないからか、オシリあたりから、前にすすんでゆく。
オシリにぶら下がるように、足がついてくる。
イメージとして、2本の足を交互につき出していた走りから、流体が流れてゆくような感じになってゆきます。
走る、とは一風ちがう、流れて進むという不思議な感覚。
土や草の上を、風船につつまれた流体が、つまりカラダが、流れてゆく。
そんな味わったことのない体験。
その時です。
あー、フワフワ気持ちいい。
おおげさに表現させていただくと、アシの原を雲にのってスーっと進んでゆく仙人になってしまったような感動。
6〜8キロくらいつづく土のコースを、自分のペースで走ると、ときどきおとずれるとっても幸せの瞬間。
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川面もキラキラ祝福。
大地をもっと感じたい
フカフカの大地がおしえてくれる、太古からの走り方。
フカフカといいましたが、じつは大地の正体はデコボコです。
土があり、石ころがまじり、草がはえ、枯れ枝が入り、傾いたり、穴があいていたり、とがったり、へこんだり。
一足ごとに、多彩な顔でむかえます。
この多様さに対応できませんと、大地はアブなくて走れません。
そのため、クッション性のきいたシューズは、似合いません。
フカフカの大地に、フカフカの二重奏となって、ユラユラしかねないからです。
大地の情報も、伝わりにくくなりますし。
足ウラに一番求めるのは、大地の情報収拾能力です。
そのためシューズに、クッション性は不要。
情報収拾力を落とすので、むしろ逆です。
もともと、足ウラは最高のクッションなんですから、心配はいりません。
うすいので十分。
くわえて、フカフカ大地は、足ウラの臨機応変さを求めてきます。
変幻自在の大地面に足ウラがピタッと接すると同時に、カラダは安定させてもらいたい。
そのためには、足ウラの動きが自由に発揮できるハキモノ。
具体的には、親ユビと小ユビ側が自由に活動できるしくみ。
つまり、ハナオ構造。
そうしてできたハキモノ、なのかは知りませんが、屋外型のタビ、つまり地下タビ。
わたしの住む田舎じゃ、野良の多くのジイさんたち御用達の現役ハキモノです。
土の上じゃ、とってもイイ気分。
地下タビと同様の感覚が味わえるのが、ワラジ、ワラッチ。
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ご愛用の地下タビです。野良仕事兼用。
どっちへ向かいましょうか
土の大地を走りつづけることで、つくられてゆく走り。
アスファルトの路面を走りつづけることで、つくられてゆく走り。
思った以上に、感覚のちがいがうまれます。
ためしてみれば、わかります。
ためさないランナーの方が多いのは承知の上での話ですが。
ためせない環境におられるランナーもいらっしゃるでしょうが。
走り方は、アタマでどこまでつくれるものでしょうか。
むしろ、大地などの環境の影響のほうが大きいように感じます。
路面やシューズの関与の大きさを感じます。
わたしは、土の上の走りが楽しい。
これは体力と根性のない自分にあっている。
おもえば、飛脚だって、こういう大地を走りぬけていたんです。
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くわえて四季のダイナミックな移ろいを伝える土の大地との対話がいとおしい。
ならばアスファルト面でも、同じように走れないものか。
フワフワ、フカフカ、デコボコの路面。
なんだか、定まらないオノレの生き方とかぶっているのかな。
でも、教えてくれるものに限りはありません。
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土の上 教えてくれるよ 飛脚ラン
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路傍のスイセンみんなが、ボクに注目。アイドルになった気分(笑)。
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