理想のハキモノ
わたしがコレ、と考えている理想のハキモノがあります。
それは「自分のアシ」です。
ハキモノ的な表現にすれば、「自分のアシのウラ」といってもいいでしょう。
400万年以上前から、すなわち人類が2本アシで活動を始めてから使われているハキモノ。
ま、ハキモノといっていいかどうか、は突っこまないでください。
アシのウラは、立ち、歩き、走るさいの基本です。
すべての動作で、直接に大地と接する部分。
ただし地球上には、あつい日もあれば、凍る日もあります。
デコボコ道もある。
そんなとき、アタマを使って道具を使えるのが人間の強み。
というので生まれた、さまざまなシューズ類。
それらの中で、わたしは、自分の「アシのウラ」感覚を封じ込めないハキモノ、という視点でハキモノの選択をするようになってきました。
歳のせいかな。
より速く、とかの視点は二の次です。
そもそも、速くは走れませんもの。
より自分のアシのウラ感覚に添うもの、です。
現在の選択肢
アシのウラがいちばんハダシ的に感じられるハキモノ。
特に着目したいのが、アシのユビの開放感です。
ハダシのとき、アシのユビはまったく自由です。
ユビは左右ともども5本ずつありますが、5本とも自由。
その中で、親ユビは特に自由を謳歌しています。
人指しユビから小ユビまでは、比較的まとまった行動が好きですか。
この習性を利用したのが、「タビ」ですね。
アシのユビの開放感を、ハダシのように味わえるハキモノ。
とくに走りにも使えるもの。
それで選んでいるのが、以下の3つです。
地下タビ
ワラジ
ワラーチ
今のところ、これらをしのぐハキモノに出会えてはいません。
これらの履き替えで満足しています。
天気のよい日、雨の日。
あつい日、さむい日。
これだけで、ふだんのご近所ランから、100キロマラソンまでカバーできます。
ランニングジューズは、持っていませんし。
マラソンレースの正装
ただし、ワラジは100キロ走ると、ボロボロに。今の課題です。
ひらめき
ひとりで走っているときは、何もおこりません。
ど田舎なので、ランナーがいない。
ところが、レースのときには、声をかけられることがあります。
「ヘンなもの、はいてますね」
「痛くないですか?」
「どんな感じですか?」
どんな感じか、というのを説明するのに苦労してきました。
「これをはいて、走ってみますか」
これがイチバン、手っとりばやいかもしれません。
でも、現実的じゃないかもね。
とくに、フツーのランニングシューズをはかれるランナーに、どう説明したらニュアンスが伝わっていただけるだろうか。
そんなことを考えながら、田んぼのあぜ道を、ワラーチで走っていました。
条件は、草むら(整地されていない)。
ハキモノは、ワラーチ(いちばんはくもの)。
すると、ひらめいたのです。
あ、これって「ペットボトルを踏んじゃった」感覚に近くないか。
ペットボトルを敷きつめて
ペットボトルが、線路の枕木のように、走るコース上に並んでいる。
その上を、一歩一歩、走る。
一歩一歩、グシャリ。
しっかり、ソフトに、つぶしながら走ってみる。
じつに不自然な感覚になるでしょうか。
ありえない。
あんまり、いい気分じゃない。
そもそも、歩幅がかせげません。
不用意にのったら、空のペットボトルでも、キレイにつぶれない。
ちゃんと、ま上から、そっと、のってゆかないと。
そんなことに気をかけていると、走りが変わってしまう。
まず、アシが先に出てゆけない。
上半身から進んでゆくようになる。
アシは、支え役に徹底してくる。
すると、キレイにペットボトルがグシャリ。
あれ、ハダシで走っているのに似ている。
究極の走り方
ハダシで走ってみます。
イチバン本来のアシウラ感覚がよみがえってきます。
何百万年も、人類はコレでした。
ここに、ウス底のハキモノをはいてみる。
ちょっと、感覚は変わります。
最新のランニングシューズをはいてみる。
ハダシ感覚からは、ずいぶんと離れてゆきます。
そんな変わった環境で、不調や故障は生じていませんか。
ないなら、けっこうです。
あったら、ハダシ感覚にもどってみる。
その、お手軽な方法のひとつとして、ペットボトル踏んじゃった。
わたしの、ひとつの到達点です。
とはいえ、これで満足していません。
まだまだ、理想のハダシ感覚とは思えないからです。
気持ちよく走れている瞬間の感覚には、まだかな。
これからの究極の目標。
ペットボトルを、一歩一歩、踏みしめながらの走法。
でも、その下のペットボトルはつぶれない。
これができたら、水の上も走れるかも?
うーん、仙人にでもならないと、不可能なワザでしょうか。
でも、これが、わたしの理想とする走り方です。
究極の走り方、として目標にしていることです。
おろかな夢。
水の上 すべるように 走りたい
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