お勉強本
わたしの「お勉強本」には、2タイプがあります。
ひとつは「学び本」です。
ああ、そんなこと知りませんでした。
目からウロコです。
ありがとうございます、と感謝をささげたい本。
もうひとつが「刺激本」です。
そこに着目するんですか?
そんなこと考えるんですか?
いくつも「ツッコミ」入れたくなるような本。
ツッコミ、といっても、反論とか反感とはちがいます。
こちらの、予期しなかった視点との邂逅。
この出会いは、なかなか刺激がいただけます。
昨今、自分とちがうものに出会うと、アレルギー症状が出ちゃう方が増えているように思います。
もう少し、余裕をもてたらな。
笑わせてくれて、ありがとう、ってくらいに。
そして、この本は、刺激本です。
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ピークは終わった?
著者のマルコビッチさんは、ジャーナリストです。
特別に、運動経験はないようです。
科学、あるいはビジネス系のライターです。
そして、年は、たぶん中年くらい(推定)。
この著者が、いるんなスポーツ分野の、いわゆる「ピークを過ぎた」アスリートに密着取材をする、というのが基本的な流れになっています。
ピークを過ぎた、というのがミソです。
どんな競技にも、ピークというものがあります。
ですから、取材を受けるアスリートは、若くはありません。
しかし、ある「工夫」をしてみた。
その結果、ふたたび、もとの世界に戻っている。
それも、ただ戻ってはいません。
活躍している。
活躍どころか、かつての記録をも凌駕していたり。
そんな実に愉快なアスリートたちのくらしの紹介です。
みなさん、じつにさまざまな工夫で、重ねた歳を楽しんでいらっしゃる。
ですから、記録もですが、生き方の変化がおもしろい。
一生懸命というより、余裕さを感じたりします。
これも、歳のおかげかもしれません。
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発想の転換
単純にパワーの比較、となると、若いひとにはかないません。
一般的に、いちばんパワーの出せる年代って、いつごろでしょうか。
それは、生殖適齢期です。
赤ちゃんを、生む、育てはじめる、という年代です。
人類滅亡をふせぐための、大切な節目ですから。
ですから、この時期をイチバン強く生きられるように、神はつくっているんです。
ところが、です。
運動やスポーツは、子育てとは、別次元のものです。
ピークが、わかりにくい。
たとえば、ランニングだって、そうじゃりませんか。
わたしは、若いころはランニングをふくめ、運動一般は「こんなモノ」扱いでした。
それが、今や生活の一部です。
高校生の自分と走ったら、今の方が早い気がします。
そもそも、中年超えるまで、10キロを超えて走る経験などありませんでしたし。
世の中、おもしろいものです。
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共通項
歳をとって、カラダを動かす。
それも、場合によっては、若いとき以上の運動量。
そんな登場アスリートに共通するもの。
それをまず、わたくしなりに、3つにまとめてみました。
ひとつは「発想をやわらかく」です。
常識に、しばられない。
ヒトのいうことに、「絶対」はありません、絶対に。
ましてや、スポーツ界の常識は、若者が対象の発想です。
そんなものを、ソノママ、安うけしない。
たとえば、ランニング道を極めてゆきたい。
そう決心して、筋力強化をめざす若者トレーニングをとり入れて、ドーするの?
と、いうくらいの余裕を、まず持つ。
ふたつめは「ヒトの意見より、自分のカラダの声」を大事にすることです。
どの世界にも、指導したがる方がおられます。
なるほど、正論。
でも、それが自分に合うのか、どうか。
それは、自分のカラダに聞いてみれば、わかるはずです。
カラダがきつい、といったら、自分には合わないのかも。
これができるのが、オトナの分別です。
みっつめは「とにかく工夫」です。
いろんな試行錯誤。
それが、自分にどんな影響をおよぼしているか?
いつも、ふり返り。
そして新しい工夫へ。
若者に、この余裕とアタマの回転は、まだ荷がおもい。
ここに至るまでには、年季が必要なんです。
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なんて、自由な発想
さすがに、年齢と経験をかさねたアスリートの発想です。
ざっとみても、参考になります。
疲労をためないのが、練習の極意。
異なるトレーニングの組み合わせの工夫。
脳をだまして、トレーニング。
精神の安定性が、肝要。
速度は、身体より心が決める。
選手寿命をのばす栄養法。
回復のためのコツ。
一流のアスリートさんならではの工夫の数々。
わたしとは、まったく次元がちがいますが、読んでておもしろい。
やはり、ひとのいわれるままだと、先が見えてしまいます。
そして常識は、変わらない。
あるいは、現実は変わらない。
そこに自分なりの一味を加えてゆく。
自分を変えてゆく秘訣ではないかと。
たのしく生きてゆく秘訣ではないかと。
となると、これってスポーツに限りませんね。
何事においても、通用する秘訣なのかも。
ですから、だれが読んでも楽しめます。
可能性って、わからないものですから。
さあ、新しいジャンプ。
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