運命共同体
長距離を走ったあとの筋肉痛。
これは、漢方薬の活用で、軽減できるようです。
そういう不思議な経験をして、はじめて実感したことがあります。
筋肉痛が、ひいてゆく。
すると、いつもの状態にもどってゆく。
そういう単純な図式にはならない。
わたくしの今回の場合は、右ヒザの「関節」の違和感。
両下腿の「骨」のつかれ。
そういうのを、個別に感じました。
そうでした。
運動器には、大きくは、4つの感覚受容器がありました。
真皮(皮膚)
筋膜(筋肉)
関節包(関節)
骨膜(骨)
走ったあとは、筋肉痛。
それだけの単純な図式ではなかったのですね。
関節も、疲れたんだ。
骨だって、疲れたんだ。
たぶん、陽射しがギラギラしてたら、皮膚も日焼けで疲れたことでしょう。
みんな、みんな、走ったあとの疲労のお仲間。
関節の疲れ
これまで、ラン後の痛みは「筋肉痛」で片づけてきていました。
わたくしの場合は、です。
でも、そんな単純な図式じゃ、いけなかったのですね。
関節だって、ずいぶん使っているわけです。
とうぜん、何らかの変化があらわれても、おかしくはありません。
でも、実際は、目立たない。
わたくしにしても、今回、筋肉痛の急速解消をするまで、気がつきませんでした。
そして、気がつかないうちに、なおっている。
その、おしとやかさにビックリです。
筋肉とは、あきらかにちがう経過です。
では、どうしてそんなに軽い変化ですむのでしょうか。
構造からいえば、筋肉よりずっと複雑です。
関節をつつむ関節包でおおわれている。
強力な「腱」が付着している。
中に、関節液が満たされている。
どんだけ複雑か。
簡単には図解で示せないほど、複雑です。
なのに、長距離を走ったあとの変化は、じつに静か。
不思議に思いませんか。
骨の疲れ
そして、骨も同様です。
酷使しても、あまり症状はでない。
今回、骨膜が痛む、という感じははじめてでした。
たしかに、骨は、ジョーブさがとりえです。
人体中で、もっとも硬い。
ちょっとくらい高い場所から飛びおりたって、しっかり支えてくれます。
にしても、酷使すれば、さすがに変化が生じるはずです。
それが、今回の骨膜痛、という感覚でした。
ああ、骨も疲れているんだな。
といって、強い痛みではありませんでしたから、心地よい疲労感くらいです。
でも、とっても大切な感覚だと思いました。
もしこの感覚がわからないまま筋肉痛だとカン違いしたまま走りつづけたらどうなったでしょうか。
そうです、そこに生じるのが「疲労骨折」です。
ようやく、疲労骨折の機序がわかった気になりました。
しかし腑におちない
それにしても、腑におちません。
なぜ、関節と骨は、筋肉ほどのダメージを受けないのでしょうか。
いえ、ダメージは平等に受けているかもしれません。
受けている。
でも、じっさいの症状は、筋肉と比べればあまりに軽微です。
その答えは、「ガンジョーさ」の差にゆきつくのでしょうか。
ずいぶんと、抽象的、かつ安易な表現になってしまいますが。
筋肉と比べて、関節や骨は、格別ジョーブにつくられている。
それが、神さまの設計図なんです。
カラダの各臓器は、それぞれに特徴をもっています。
再生機能が、ズバぬけている臓器。
二重にも三重にもガードされている臓器。
血流低下に耐えられる臓器。
そういう中で、よりジョーブにつくられている臓器。
それが「関節」であり「骨」なんでしょうか。
そうでなければ、生きぬけなかったのです。
ということに、させてください。
と、いうことは
カラダの中で、耐久性がグンをぬく場所が「関節」と「骨」。
だかえら、ちょっとのことでは、へこたれない。
長く走っても、筋肉よりも、長持ちする。
なんとも、たのもしく、たくましいです。
ですから、長距離走のあとでも、筋肉疲労への対策だけで回復に向かってくれるのです。
だからといって、故障がないわけではありません。
関節の故障。
これは、強固にむすびつく「腱」をふくめて考えたいと思います。
骨の故障。
疲労骨折までふくめます。
これらは、身体にとっては、重大事件です。
なにしろ、本来は故障しにくいところですから。
それでは、なぜそんな場所が故障してしまうのでしょうか。
それは、体が「やわ」だったから、では説明されません。
だって、もともとガンジョーなんですよ。
使い方に、無理があった。
ここに原因を求めたいです。
もうひとつは、使いすぎ。
オーバーユースということです。
いくらガンジョーだって、限度というものがあります。
それを超えたら、無理です。
ですが、そのような走りとは縁がないわたくしには、使いすぎは省いて考えてゆきます。
カラダに対して、無理な使い方を重ねてしまった。
だから、ガンジョーなはずの「関節」や「骨」の故障が生じた。
そういう流れも、あるはずです。
もちろん、ちゃんと治療法もあります、漢方世界でも。
でも、筋肉ほど簡便にはゆきません。
だって複雑だから。
でも、その前に、そんなガンジョーな関節や骨を痛めちゃうような使い方を考えたいです。
そこを改めませんと、よくなっても再発ですから。
あるいは、なかなか、よくなりませんから。
そうです、「関節」や「骨」を痛めない走り方。
遠回りのようで、これがまず避けたい道ではないでしょうか。
(つづく)
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