どこから着地してますか?
ランナー間で、ときどき問題になる話題です。
「足のどこから着地しますか?」
走りのさいの足ウラの着地場所は、いがいと大きな着眼点です。
なにしろ、着地時は、体重の2〜3倍の負荷がかかるといわれていますから。
60キロの体重なら、一歩着地するだけで、100キロ以上の負荷が片足にかかる。
それを、いったい何歩くりかえすのか。
そして、これがランナーの故障のはずせない要因につながっている。
と、いわれています。
にわかには信じがたいデータですが。
2〜3倍の体重負荷がかかるなら、そうならない走り方を工夫すればいいのに。
という話題は、また別の機会へ。
ともあれ、足ウラの着地場所問題です。
「着地は、カカトからだよ」
かつての主流は、コレでした。
じっさいに「カカト」から着地しましょう、というご指導はよくありました。
そういう本も多い。
ところが、これに一石を投じるひとたちが注目されるようになりました。
おもに、ワラーチという「ゴム性ワラジ」をはいている民族などで。
彼、彼女らは、足の前のほうで着地しながら走る。
それだけではありません。
足ウラ全体で着地するのが望ましいよ。
そういう意見もだされています。
整理すると
走ったときの、足ウラの着地場所のまとめです。
足の前派。
足のうしろ(カカト)派。
足ウラ全体派。
ここに、足の内側派、外側派、なども参入します。
が、単純化するために、左右はここではふれません。
他に、意見のあるかたは、いらっしゃいませんか。
手で、着地するよ、とか。
胴体で、着地します、とか。
アタマから着地してみせます、とか。
あっ、あそこで胴体から着地をしているランナーがいる。
いえ、単にころんだだけのようです。
好きでやっているわけじゃ、なさそうです。
自分の着地場所を、いえますか。
なかなか、むつかしい
いろんなランナーがおられる。
なので、いろんな着地形態があってもいいのかと思います。
そのまえに、そもそも、いつも同じ着地になっているかどうか。
というのも、状況でも変わるからです。
たとえば、のぼり坂では、足の前の方がつくようになるでしょう。
逆に、くだり坂では、カカトの出番がふえてきませんか。
くわえて、ハキモノでも、着地場所はずいぶんと変わるようです。
とくに、厚底シューズとよばれるものでは。
そういう不確定因子が多数をしめるなかで、どういう着地方法が多いか。
さらには、どういう着地者に、故障が多くなるか。
どういう着地方法が、より効率的な走りになるか。
というような疑問に答えてゆくのは、至難の技ではないでしょうか。
「自分は、路面や、走り方や、体調や、スピードなどで、いろんな着地をしているよ」
こういう、なんともつかみどころのない答えが、現実的かもしれません。
ということで
足ウラの着地場所問題。
ということで、最近は考えなくなっちゃいました。
これを、ボケがきてるね、という方もいますが。
足のウラは、どこからでも着地できるようにできている。
それが2本足歩行、2本足走法の人間の特徴なんじゃないか。
そして、これが4本足のワンコやニャンコとの、大きなちがいです。
で、これにて一件落着、と遠山の金さん風の幕引きをはかっちゃうと、先がありません。
もっと、大切な見方があるのではないか。
だって、2本足生活という特別な生きものですから、人間は。
まず、2本足で立った人間は、どのような構造をしているでしょうか。
わたくしは「逆Tの字型」と考えたらいかがですか、と思っています。
イメージとして、トンカチをさかさまに立てた図です。
トンカチを、さかさまに立てる。
手でもつトンカチの「柄」の部分が、足くびから上の人間の姿です。
トンカチの「金」の部分が、床面についている足です。
そういうイメージを、もっていただけたでしょうか。
すると、トンカチの「柄」と「金」の部分では、力のかかり方がちがうことがわかりますか。
垂直に立つ「柄」の部分は、人間では体重がかかる部分です。
力のかかる向きは、下方向です。
それは重力で引っぱられているからです。
床面につくトンカチの「金」の部分は、人間なら足ウラに相当します。
ここには、床面からの反発力がはたらいています。
そのため、力のかかる向きは、上方向です。
よろしいでしょうか。
足首から上は、足首に体重が「上から」のってくる。
足首から下は、床面からの反発力が「下から」生じている。
2つの力
2本足で立った人間には、「2方向」の力が生じています。
体重として、上からかかる力。
これは、下向きの力です。
床からの反発力として、下からかかる力。
こちらは、上向きの力です。
この相反する力が交わるところは、どこでしょうか。
そうです「足首」です。
ですから、立ったときの「足首」は、とっても特別な場所となります。
上から、全体重がかかってくるところ。
下から、押し上げられるところ。
この2つの相反する力の交点、交わる場所です。
ずいぶんと、重要な場所じゃありませんか。
そして、事故のおこりやすい場所として、交差点は有名です。
同じように、足首交差点は、どうでしょうか。
やはり、事故現場として、重要となってゆきます。
そしてここの事故が、足ウラまでゆくことがある。
ふくらはぎから、膝やモモまでおよぶことがある。
逆にいうと、足ウラや、膝やモモの故障は、足首から影響がきていることも多い。
ですから、足首の交通の、いえ、力の通りをよくすること。
これが、下肢の故障や故障予防のカナメになる。
という、わたくしの発想はいかがでしょうか。
(つづく)
人間にも 交差点あり 足首ね
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