茨城100kウルトラマラソン2022、さとり?

ジャリ道の誤算

 

59キロ地点、息栖神社をおり返し、北に向きをかえる。
走りが、スタコラから、テクテクになっています。
さすがに、スピード感の低下は、否めません。

こんな場面に限って、職場からの電話が入ったりして、さらに力がぬけてゆく。
そんな状況で、およそ2キロつづくジャリ道に入ってゆきます。

昨年は、ここの砕石がワラジにくいこんで、ほとんど歩きでした。
しかし、今回は、最新ゴム底ワラーチです。
どんとこい。
楽勝、何でもない、ハズでした。

スイスイ、いったれ。
ところが、どうも合点がゆきません。
足のウラは、大丈夫です。
ウラから上の、カラダ全身が、いよいよきています。

しかし、世の中は、捨てる神あれば、拾う神あり。
ジャリ道上、そしてジャリ道をぬけると、すてきな施設エイド
「いやあ、うれしい」
「ごくろうさん、あとは道はいいよ」
元気が、グウーんと回復してきてくれます。

 



後半戦のスタートは、カミスココくんサブレから。

 



ジャリ道に入ってきました。

 



北浦湖から出てゆく(?)川沿いに沿って、いがいに長いジャリ道。

 



でもゴム底ワラーチなら大ジョーブ、でしたが、人間の方がアウトでした。

 



そんな中を癒してくれる、施設エイド。神的存在。

 

神だのみ

 

やがて、湖の中にたつ、まっ赤な大鳥居が目に入ってきます。
鳥居をめざして、走ります。

その手前は、豊津まちづくりセンターエイド。
ここの盛大さには、おどろかされます。
みなさん、あたたかい。

そして、なんたる記憶力
「ああ、去年はワラジできたねえ」
そんなことまで、ぱっと出てくる。
わたくし、じつに地味に走っているだけなんですけど。

きのうの夕はんは、何を食べたっけ?
そんな記憶もあやしいわたくしには、うらやましい限りです。
目の前の、大鳥居のおかげなんでしょうか。

そして、ようやく大鳥居前。
70キロ地点。
ここで、コースの案内をしていただいているオジさんにうかがいました。
「この鳥居は、鹿島神宮と関係があるんですか?」
「ああ鹿島神宮の第一の鳥居で、2キロ先に第二の鳥居があって、神宮本殿だよ」
「そうだったんですね」
「本殿の前の第二と第一の鳥居の向かう方向には、富士山があるんだよ」
「ええっ、そういう意味があるんですか」

むかしのひとの、計測力の見事さ。
ほんに、勉強になります。
鳥居と、反対をむいて本殿方向へ手をあわせて、パンパン。
これから期待できるのは、神頼みだけです。

 



遠くに、湖にたつ大鳥居の姿が見えてきました。

 



鹿島神宮の協賛(?)道標。

 



鹿島神宮おひざもとのあったか豊津まちづくりセンターエイド。

 



強く、自信をもっておすすめされた、たこ飯にぎり。

 



この日にいただいた、唯一のお米でしたが、おいしゅうございました。

 



この先には、富士山がひかえているのだそうです、パンパン。

 

 

不思議な体験

 

このあたりから、です。
ときどき、コースが折れ曲がってきます。
その要所、要所には、きちんとコースを誘導してくださる方がいます。

「ああ、去年ワラジのひとだね」
何度、おなじ声をかけられたか。
まったく地味な、1ランナーにしかすぎないのに。
誘導の方ですよ。
それも、こういっちゃ失礼ですが、けっこうな高齢な方まで。

デジャブ。
不思議な空間、やはり鹿島神宮の何かがあるんでしょうか。

80キロをまわると、北浦湖の中央部を横ぎる北浦大橋にかかります。
ここを、わたって、対岸へと向かいます。

強度の問題なのか、下を船が通るからか、この橋も大きなアーチをえがいています。
つまり、のぼって、くだる、長い長い橋です。
前方をみると、歩いているランナー。

久しぶりの、まとまったのぼり坂
それが、じつに気持ちいいんです。
平地より、スピードがあがってぐいぐいゆけます。
くだりだって、ランラン気分。
わたり終えて、平地にもどると、スピードダウン。
カラダの感覚も、ちがいます。

うーん、坂がカラダに何らかの作用を覚醒してくれたのですねえ。
じつに奥が深い。
わたり終えて、85キロ。

 



だれもいないコース上ですが、その先にまつエイドがオアシス。

 



大きな、長い北浦大橋が見えてきました、あれを渡るよ。

 



ひさしぶりののぼり坂が、カラダにいい刺激となって、ルンルン。

 

そうだといいな

 

85キロ地点は、ゆくときも利用した白波ウォーキングセンターエイド。
ここで、「つくね」をいただきます。
うーん、じんわりと力がでる感じ。

日が少しずつ、西にかたむいてゆきます。
前後の視界に入るランナーの姿は、まばら。
ほとんど、単独走です。
一瞬、先頭を走っているんじゃないか、というくらい。

くれかかると、地元の消防団が消防車で、コース上に参上です。
そこから、コースに灯りをともしてくれます。
この地域ぐるみの応援。
なんていう地域なんでしょうか。

そろそろ、自分でもヘッドランプを装着しなくちゃいけないかな。
警告を発していた腕時計が、98キロ地点で、コト切れました。
画面、まっくら。
バッテリー切れ。
持ち主と、運命をともにするなんて。

でも、もう時間は気にしません。

カラダは、思うように動かない。
まわりは、暗くなる一方。
バッテリーも、いよいよ底をつく。

うーん、これって、人生の縮図と重ならないでしょうか。
年とともにあらわれる生活って、こうなってゆきませんか。
あまりに、リアルすぎます。

そこにゴール地点が視界にはいってきました。
煌々と、まばゆいばかりの光で輝いています。
あれ、これも人生と同じなのかな。
あれこそ、極楽浄土、天国の入り口。
そういう人生をおくれたら、幸せです。

ふうう、なんとかゴールに、たどりつきました。
13時間04分57秒の旅。

このレースでは、20キロごとにラップをとっていただけます。
わたしの記録。
20キロまで:2時間14分07秒
40キロまで:2時間16分11秒
60キロまで:2時間28分59秒
80キロまで:3時間04分30秒
ゴールまで:3時間01分10秒

みごとに、後半戦、ダダ落ちでした。

 



つくねで、元気回復、できれば、ノンアルビールが。

 



100キロをゆくものは、90キロを半ばとす。

 



コース上に、消防団の灯りとエールがともされてきました。

 



そして、ついに感動のゴールです。

 

考えるコト

 

レースの醍醐味。
これは、レースの距離とは、関係しません。
勝負は、後半戦に宿る。

だって、最初からヘロヘロってわけではないでしょう。
ま、最近のわたくしは、そうなりかけてますが。
それでも、少なくとも、走る前は、ガンバるぞという気合いはまだあります。

それが後半戦に入るにしたがい、しんどさが顔をだしてきます。
少しずつ、そして確実に。

逆にいうと、後半戦とのつきあい方。
これがレースの流れに、おおきく左右してくるものです。

この展開。
これって、人生と同じじゃないでしょうか。

はい、年をとったからいえる迷言です。
人生だって、後半戦にはいると、しんどさのレベルが変わってゆきます。
コタツから立ち上がるのでさえ、掛け声が必要になる。
これまでのペースでは、走れません。

でも、その先に明るく照らされたゴールが待っていてくれると知っていれば。
そこに着くまでに、たくさんのエイドや誘導していただける方がいてくれれば。
たとえ少なくなっても、いっしょに走ってくれるランナーがいてくれれば。

とくに、ウルトラマラソンには、人生がすごく重なり合う。
自分の老後を知りたければ、ウルトラマラソンに挑戦してみよう。

ゴールが輝きますよ。
なお、早いランナーは、昼間にゴールなので、こういう感動はできません。
たまには、こういう経験もいいですよ(負け惜しみ)。

ホンネは、明るいうちにゴールして、ご近所の観光もたのしみたい。

 



ポツリ、ポツリ帰ってくるランナーを、たくさんのスタッフにお迎えしていただきました。

 



さすが、ゴム底ワラーチだけは、元気でした。

 



後日、記録表と完走メダルとタオルが送られてきました、ありがとう。

 

たーさん
人生を 重ねてはえる ウルトラ路

 

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