ランニングモデル作りへの挑戦

人体の奥深さ

 

人間は、まこと完成された生きものです。
ひとを作ったのは、だれなんでしょうか。
やはり、カミさまですか?

なにしろ、何万年ものあいだ、基本が変わっていないのです。
基本というのは、骨格その他モロモロの人体構造です。
何万年も前の人体骨格と、現代人に、大差はないのですから。

そりゃ、生活様式は大胆に変わりました。
まず、4本足だったのが、2本足のくらしになっています。
何事においても、自分のカラダを使わなくても用が足るようになっている。

それでも、基本骨格は同じままです。
ずっと変化なく、生きつづけている。
パソコンみたいに、毎年バージョンアップ、なんてしません。

すごいことだと、思いませんか。

そして、神サマは、なぜ人間をこのような風に作りあげたのか。
ひとの構造を考えていると、興味はつきません。

 



 

 

わが人体模型

 

じつは、わたくし、骨格模型をもっています。
ときどき、何かあると、ながめる。

ココは、こういう構造になっているのだな。
紙の、つまり平面的な本より、イメージがつかみやすい。

このマイ骨格模型、なかなかにリアルです。
人体は、200個ほどのからなり立ちますが、それをできるだけ忠実にあらわそうとしています。
これは、学生さんが解剖学の勉強などに利用するには、好都合です。

ところが、そういう部分から落ちこぼれて、しかも今さら勉強でもないわたしには、ムツカシすぎます。
複雑すぎる、という贅沢な悩み。

わたしの関心の先には、「歩き」や「走り」があります。
欲しいのは、歩くモデルです。
その延長での、走るモデルです。

そのために、もう少しシンプルな模型がないものか。
いや、さがさなくて結構。
作れないものか。
と、つねづね思ってきました。

 



 

 

動きは、イメージと実態の融合体

 

自分は、どんなふうに、歩いているか?
それを、想像してみませんか。
できれば、コトバで表現してみる。
宇宙人に、説明しているように。

アシが、どうなってとか。
ウデが、どう動いてとか。

走るときも同じですが、まずは歩くことから。
コトバでうまく表現できなくても、イメージならもてます。
こんな風に、歩いているんですよ。

ここに、実態、つまり人体模型が融合してくると、動きはより現実的なものになるでしょう。

こうに動く、と思ってきたけど、実際に動けるばしょは、ココだったのか。
つまり、骨の途中は、曲がりません。
若干のシナリを生むくらいの弾力性はありますが、クネクネとはなりません。
かたい臓器ですから。

実際の骨格標本の骨と骨を合わせてたたくと、コツコツとかたい音がします。
だから、骨というくらいです。
骨は、支える臓器です。

 



 

 

曲がるところ

 

動作をおこす、というのは、カラダが変形することです。
カラダを支える骨は、変形しません。
変形できるのは、骨と骨の間の、「つなぎ目」です。

骨と骨は、2種類のくっつき方に大別されます。
おおざっぱな分類ですけど。

ピッタリつく骨同士、というのがあります。
頭蓋骨などが、その例です。
ここは、原則、変形しません。
アタマの形、そうそう変化しませんものね。

もうひとつは、お互いが動けるようにつながる形です。
これが「関節」とよばれる場所です。
関節は、骨と骨との間を、変形させることのできる構造体です。

ひとの動きは、「関節」を介しておこなわれる。
当たり前、でしょうか。

ひとの動きは、まこと複雑なことが可能です。
ハシをもつ、オナカをかく、ピアノをひく、なんでもできます。
ということは、それだけたくさんの関節がある、ということです。
関節ネットワーク、とよびたいほどです。
いったい、どれほどあるのやら。

 



 

 

数えきれません

 

たとえば、ひとの片足には、どれほどの骨が隠されているでしょうか。
骨の数は、26個です。
そして、その間に、33個の関節がつくられています。
それをつなげる靱帯の数は、107本。
実際に動かす筋肉の数は、19個。
筋肉につながる腱は、38本。

うーん、とても覚えきれません。

足は、単にカラダを支えるところ、とあなどってすみませんでした。
ひとの骨は、全部で200個ほどでしたね。
ですから、両足で、骨の4分の1を使っていらっしゃったのです。
実に、複雑だったのですね。

複雑につくった神サマの意図を、わたしたちは理解しているでしょうか。
クツの中に、ポイと足を入れたら、あとは見ていない、なんてもったいないと思いませんか。

なんて考えてゆくと、はなしはドンドンと複雑になってゆきます。
もっと、シンプルにすすもう。
わたしの実力では、シンプルにしか、できませんし。

単純な、しかし本質をつく歩くモデル、そして走るモデル作りに挑戦だ。
(つづく)

 



 

たーさん
ランニング モデル作りの 自由研究

 

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