2本しかないけれど
わたしたちは、2本の足で立ちます。
2本は、ならんでいます。
そのため、じつは「前足」「うしろ足」という区別はありません。
前、うしろと区別したくなるのは、犬や猫のように、4本足の動物に対してです。
4本なら数えやすくていいです。
ムカデくらいになってしまうと、前もうしろもわからなくなってしまいます。
そうか、そうか、で納得されちゃうと、この話はココでオシマイとなってしまいます。
でも、今回は、これでやめません。
いえ、ここから、スタートしてみます。
とことん、引っ張りたい。
なぜなら、今までとはひと味ちがった世界に出あえると信じているからです。
さて、わたしたちが歩いたり走ったりするとき、足は2本ですが、左右が行儀よく並んでいるわけではありません。
たがいに前後しあって、前にすすみます。
一方の足が前にきて、他方はうしろになります。
そしてすぐに、うしろの足が前にきて、一歩をふみます。
この交互運動が、わたしたちの基本歩行、走法になります。
そこで、前にいる足を「前足」とよばせていただきます。
うしろに位置する足を「うしろ足」とよばせていただきます。
当、飛脚走りブログにおいての、お約束とさせてください。
世の中は、広い。
私は両足をそろえてピョンピョン跳びはねながらすすみます、というバニーちゃんもいるかもしれませんが、そういう例外の方は、ここではふれません。
まずは観察から
まわりに人はいますか?
絶海の孤島にずっとひとりで暮らしています、というロビンソン・クルーソーさんには無理でしょうが、人がいましたら、よく観察してみてください。
人の歩く姿を、横からながめさせていただきましょう。
歩く。
つまり左右の足を前後に交互させながら、人は歩いています。
一方の足、たとえば右足が「前足」になると、左足が「うしろ足」になって、すぐに左足は前に出て「前足」にかわると、右足が「うしろ足に」なってゆきます。
文字で追うとややこしいですが、左右の足が交互に前後になって前にすすむだけです。
さて、ここで着目していただきたいことがあります。
前足と、うしろ足のどちらに、より体重がのっていますか?
体重をかける足。
わたしは、それを重心ののる足として「重心足」という概念を提唱させていただいています。
でも、まあ、そんなカタイ話は抜きにして、さりげなく体重がのっているのは「前足」かなあ「うしろ足」かなあ、と鋭く観察していただきたいのです。
前足に体重をのせて歩いていますか?
うしろ足に体重をのせて歩いていますか?
自分に目をむけるときは、まずは大きく、そしてゆっくり
つづいて、同じ要領で、「自分」はどちらの足に体重をのせて歩いているのかを観察してみてください。
この観察のコツは、まず大きな動作にしてみることです。
いつもより、やや急いだ歩き方をしてみてください。
歩き方が、少し大きくなっていませんか。
つづいて、その動作をゆっくり再現してゆきます。
同じ動作のまま、2分の1ほどのスロー再生モードに切りかえてみてください。
ゆっくり歩く。
このさい、ユックリだからという理由で感覚をバラバラにしないで、ふつうの歩き方の感覚をなくさないようにお願いします。
さて、前にきた足に体重をのせていましたか?
うしろにある足に体重をのせていますか?
なんとなく足にのせる体重の感覚がつかめてきましたら、ふつうの歩き方でも同じかどうかを確認してみてください。
自分は、前足に体重をのでて歩いていた。
それを、ここでは「前足歩き」とよびましょう。
うしろ足に体重をのせて歩いていた。
それは、ここでは「うしろ足歩き」とよびましょう。
さあ、さあ、自分はどっちですか?
結果発表
多くの方は、平地をふつうに歩くときは「うしろ足歩き」です。
そう、うしろ側の足に体重をのせながらの歩行です。
町なかをツカツカ歩く人。
駅の構内をいそぐ人。
そして、自分。
いかがですか。
うしろ足に体重がのっていませんか。
同時に、体重から解放された前足のモモが上がって、前にすすんでゆきます。
前に出す、というくらいですから、前の足は、とうぜん宙にあります。
宙にある足に、体重はのせられるはずがありません。
ですから、うしろにひかえる足が体重を支える。
そして前足の着地。
同時に、前足に体重をのせはじめると、それは「うしろ足」へと切りかわり、体重から解放された足が前足になって、前方に出てゆく。
いかがですか。
文字だとやっかいですが、実際に自分で足に意識をむけて歩いていただければ、ご理解いただけるのではないでしょうか。
あるいは、改めて、ほかの人の歩行を観察させていただきましょう。
ですから、現代人の多くが「うしろ足歩き」といったのです。
じつは、固定はしていない
前足に体重がのっての歩き方が「前足歩き」。
うしろ足に体重がのっての歩き方が「うしろ足歩き」。
歩き方を、体重をのせる側で、こう分類させていただきました。
歩き方の「型」つまり「フォーム」を主眼にした分類法です。
そこで、これを「歩き型」とよばせてください。
すなわち、「歩き型」には「前足歩き」と「うしろ足歩き」がある、という表現になります。
そして、現代人の多くが「うしろ足歩き」。
そして、自分の歩き方は「⚪︎⚪︎⚪︎歩き」(確認しておいてください)。
ところで、両者の歩き方は、固定しているわけではありません。
わたしたちは、この両者を無意識に使いわけています。
たとえば、階段をのぼります。
このときは、みな「うしろ足歩き」です。
だって、うしろ足に体重を残しておかなくちゃ、前足が段差をのぼれません。
階段をのぼった感覚のまま、平地をあるくと、うしろ足歩きです。
反対に、階段をおりるとき。
このときは「前足歩き」になります。
だって、前におろした足に体重をかけて支えられなければ、階段はおりられません。
階段をおりた感覚のまま、平地を歩くと、前足歩きです。
器用に、無意識に、使いわけています。
で、ふつうの場所では、どちらかというと「うしろ足」に体重がのる歩き方になっている、というわけです。
こういうこと、考えたことがありますか?
実は、ココから、おもしろい発見が続々と出てくるのです。
「歩き型」という発想は、おどろきの玉手箱のカギです。
まずは、自分の歩き方を見つめておいてください。
ちなみに、お江戸の衆は「前足歩き」でした。
歩き型 前かうしろか どっちかな?
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