その先へ
インスリンは、血液中の糖の値をさげる唯一のホルモン。
ですから、インスリンのはたらきがおちれば、血糖値があがってゆきます。
血糖値があがりすぎた状態を、「糖尿病」といいます。
いまや、全国、津々浦々におられます。
血糖値は、あがりすぎては都合がよくありません。
薪ストーブに、マキを、目一杯つめこんでみましょう。
さぞや、がんがん燃えるはず。
いえいえ、空気の循環がうまくゆかずに、不完全燃焼をおこしてしまいます。
ありすぎても、よくない。
糖分も、マキと同じです。
それなのに、糖質のとりすぎが止められません。
糖分は、たぶんに依存症をおこす性格をもっています。
アルコールやニコトンと、同じ性格をあわせもっています。
そのため、大量の糖対応におわれたインスリンは、もはや疲労困憊。
それが、糖尿病であり、高血糖の典型例です。
ならば、インスリンをもっと出させる薬を飲もう。
いっそ、ダイレクトに、インスリンを注射でうってみよう。
糖尿病の基本戦略です。
世の中には天才がおられます。
発想をかえて、オシッコから糖分をジャージャー捨てさせる薬はできないものか。
できました。
そして、この薬が、唯一、糖尿病の方の寿命にいい結果をもたらす、とも。
出して、捨てさせるくらいなら、食べにゃーいいのに。
すいません、失言です。
で、インスリンって、どうやって血糖値をさげるんですか?
ここからが、本番。
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無きものには、できない
インスリンは、血液中の、血糖値をさげるホルモン。
ここで停止しちゃうと、応用がきかなくなります。
では、どうして血糖値をさげられるんでしょうか。
糖分を、消し去ってくれるんでしょうか。
そんなこと、無理です。
方法は、シンプルです。
「糖分」を「脂肪分」にかえる。
これです。
血糖を中性脂肪に変換するホルモン。
これこそが、インスリンの本来の仕事です。
結果として、糖が使われるので、血糖値がさがるんですね。
そんなことが、簡単にできるんでしょうか。
できるんです。
じつは、血糖と中性脂肪は、成分が同じです。
C(炭素)、H(水素)、O(酸素)の3つの元素からなるシンプルなものです。
結合の仕方をかえるだけで、移行できてしまいます。
新しい材料はいりません。
なんて、安易なんでしょう。
よろしいでしょうか。
「サトウ」を「アブラ」にかえるホルモン。
それがインスリンの正体です。
材料となる「サトウ」は、毎日毎日、たくさん補給されてきます。
みんな、好きですもんね。
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なぜアブラに?
どうしてカラダは、サトウをアブラにかえるんでしょうか?
おそらく、保存性の問題だと思います(個人的見解)。
サトウだと、とけて流れ去りやすいので、不安定。
アブラにしておけば、まとまりがいい。
では、どこに貯蔵するんでしょうか。
その代表場所が、オナカですね。
「内臓脂肪」とよばれるやつです。
ほかにも、スキあれば、ためこんでゆく。
じつに、マメな貯蓄屋さんです。
肝臓にためこむと、脂肪肝ができあがります。
筋肉にためこむと、サーロインステーキができます。
皮下にだって、まんべんなく、たくわえてゆきますね。
自分には、どのくらいの貯蔵量があるんだろうか。
この計算には、インピーダンス測定などが必要となります。
ためすぎた量はどのくらいか。
こちらの計算は、けっこう簡単です。
20歳のときの体重差です。
はい、20歳をこえて、成長は止まっています。
なのに体重は成長している。
その正体は、サトウ分がアブラになってたくわえられた貯蔵量です。
飢饉なんか、心配ありませんね?
お金を貯めるのはむつかしくても、シボウ貯金は簡単。
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ほどほどに
とりすぎた「サトウ」は、インスリンの力で、せっせと「アブラ」にかえられてゆきます。
それが、体重増加のいちばんの要因です。
アブラがふえたから、アブラに気をつけよう、ではありません。
ならば、いま以上、アブラをふやしたくない。
さらには、オナカのアブラを減らしたい。
だったら、方法は、簡単です。
糖分を減らす。
これです。
カロリーではありません。
昨今、食材にカロリー表示がみられるようになりました。
でも、注目すべきは、カロリー数ではありません。
糖分(炭水化物)の量、です。
ああ、なんて単純なんだ。
真実は、いがいに単純なんです。
そして、美しい。
実践だけが、むつかしい。
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そして、ケトン体が登場
インスリンには、もうひとつの忘れてはならない働きがあります。
それは「ケトン体回路を抑制すること」です。
つまり、糖質・ケトン体のハイブリッド調整の主役が、インスリンだということです。
ふたたび、ハイブリッド車に着目してみます。
ガソリンと電気をうまく配分して走るハイブリッド車。
ガソリンで走るときは、電気がひかえめ。
電気で走るときは、ガソリンひかえめ。
両方をガシガシ消費するのは、無駄以外の何者でもありません。
人間も、同じです。
ケトン体エンジンと、糖質エンジンは、お互いがバランスをとって働いています。
瞬発性を求めるときは、糖質エンジン利用。
それ以外のすべては、ケトン体エンジン使用。
あくまで、生命活動の主役は、ケトン体エンジンです。
つまり、ふつうの活動は、ケトン体エンジン。
寝ているときも、ケトン体エンジン。
両者のふりわけに、インスリンが重要な役目を担っていたんです。
そのインスリン。
サトウのとりすぎで、常時、メイッパイ活動中。
すると、なかなかケトン体エンジンが活動できなくなるんですね。
もったいなくありませんか?
(つづく)
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主エンジン 抑える主役は インスリン
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